表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 中日本
76/270

7855T列車 湯桧曾展望台

皇紀2745年3月21日(第27日目) 国鉄(こくてつ)上越線(じょうえつせん)越後中里(えちごなかざと)駅。

「イタタタ・・・。」

萌は左腕をさすっている。何回も盛大に転けてたからなぁ・・・。まぁ、僕も人のことは言えないんだけど・・・。

「大丈夫・・・。」

「うん、平気。ありがとう。」

結局あんまり滑らず、下の方に置かれている旧型客車の休憩スペースで時間を潰していた。はて一体何のためにスキーしに来たんだっけかなぁ・・・。まぁいいか。この辺りの上越線(じょうえつせん)普通列車は少ない。上越国境の途中駅にほとんどの人間は興味が無いだけだ。

越後中里(えちごなかざと)上越線(じょうえつせん)湯桧曾(ゆびそ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路越後中里(えちごなかざと)駅から使用再開

 ボックス席は先に青春18きっぷユーザーが占拠していた。

 長いトンネルを抜けると雪はほぼほぼ無くなった。国境一つ超えるだけでここまで変化するというものまた興味深い。列車はずっと左にカーブし続け、それが終わったと思う頃、

「まもなく湯桧曾(ゆびそ)湯桧曾(ゆびそ)です。」

のアナウンスがある。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路湯桧曾(ゆびそ)駅で途中下車

 山の中にある駅に降りた。僕たちを乗せてきた列車が湯桧曾(ゆびそ)駅を離れると辺りは静かになった。

 少し待っていると山間に「ガタン、ゴトン」と列車の音が響き始める。ふと顔を上げると駅からかなり高い位置に白と紺色を纏った特急列車が走っている。485系3000番台のようだ。それが山の中へと消えてから、何分か経ちその列車は駅に現れる。こびりついた雪はこの列車が走ってきた上越国境の厳しさを僕たちに伝えてくる。

「今の列車「はくたか」って書いてあったね。」

「「はくたか」かぁ・・・。まだ上野(うえの)まで走って行くんだよなぁ・・・。」

金沢(かなざわ)からご苦労なものね・・・。」

「ガタン、ゴトン。ガタン、ゴトン。」

「あれ。また電車来た。」

見上げるとさっき「はくたか」が走っていた位置をこんどはベージュに窓まわりが赤色に塗られた特急列車が走っている。その列車も山の中へと消え、しばらくすると湯桧曾(ゆびそ)駅を通過する。ヘッドマークを見る限り新潟(にいがた)からの特急「とき」らしい。

「いつまで、特急見て過ごすの。」

「普通が来るまでだよ。」

「普通って。何分来ないと思ってるのよ。」

「まぁ、そう言うなって。さっき僕のこと笑いまくった罰って事でいいでしょ。」

「それ、ブーメランなんだけど・・・。」

「・・・。」

 この後も普通列車が来るまで特急「いなほ」、特急「はくたか」、特急「とき」が通過していった。それに続いてようやっと普通列車がやって来る。その普通列車も青春18きっぷユーザーが椅子を埋め尽くしてた。

「座れないね。」

「ホント。誰のせいなんだか。」

「ハハハ。今日は水上(みなかみ)で泊まるか。」

「賛成。」

 体中の痛みを取るために温泉の効能にあやかりたい。

湯桧曾(ゆびそ)上越線(じょうえつせん)水上(みなかみ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路水上(みなかみ)駅で途中下車


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ