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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 中日本
74/270

7853T列車 急行列車通学

皇紀2745年3月20日(第26日目) 国鉄(こくてつ)磐越西線(ばんえつさいせん)会津若松(あいづわかまつ)駅。

 急行「阿賀野(あがの)」は減速して、会津若松(あいづわかまつ)駅の構内へと入る。ちょうど列車左側から485系も入線する。そちらは行き先表示をちょうど回しているところだ。「つばさ 秋田(あきた)(奥羽線経由)」その次に「はつかり 青森(あおもり)」、続けて「やまびこ 盛岡(もりおか)」、「こまち 秋田(あきた)(東北・田沢湖線経由)」、「ひばり 仙台(せんだい)」。東北本線(とうほくほんせん)を走る長距離特急の名が次々と出てくる。そしてそれは「あいづ 上野(うえの)」で止まった。

「ここから上野(うえの)に行けるってだけでも凄いよねぇ。」

僕はそれに感心しつつ、向こうじゃあり得ないほどの長距離移動に脱帽する。

 ここまで来た僕たちは只見線(ただみせん)の列車に乗る必要がある。お昼の時間も過ぎた頃だ。お昼ご飯のために改札口を出るか。只見線(ただみせん)の列車はまだ出ない。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路会津若松(あいづわかまつ)駅で途中下車

 お昼ご飯を済ませて戻ってくると急行「阿賀野(あがの)」と共に会津若松(あいづわかまつ)に入ってきた特急「あいづ」の姿は既に無く、その代わりに東北地方の普通列車でよく見る701系が止まっていた。急行「阿賀野(あがの)」も既に折り返した後らしく、止まっていたホームはもぬけのからになっている。改札口で切符を見せ、ホームに入るとベージュに窓まわりを朱色に塗られたディーゼルカーがキハ58形5両が連なっている。車体側面に「奥只見(おくただみ) 新潟(にいがた)(只見線(ただみせん)経由)」のサボがさがっている。

「学生さんいっぱい乗ってる。」

萌が車内を見て言う。

「それだけ只見線(ただみせん)が重要か、列車の数が少ないかだな。」

外から見るとどこのボックス席も学生で埋まっていた。

会津若松(あいづわかまつ)只見線(ただみせん)急行「奥只見(おくただみ)」→小出(こいで)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路会津若松(あいづわかまつ)駅から使用再開

 「奥只見(おくただみ)」に乗っていた学生は会津坂下(あいづばんげ)までの間にほぼ全員が降りた。5両編成の急行列車は5両つながっていることの方が不思議なくらい空く。僕もそれを気に空いた座席に足を置いた。もちろん靴を脱いでね。

「あっという間に過ぎ去ってったね。」

と萌。

「嵐みたいに言うなよ。」

僕はそう返した。

「でも、実際そう思ってたでしょ。」

「ノーコメント。」

「フフ。」

 会津柳津(あいづやないづ)会津宮下(あいづみやした)会津川口(あいづかわぐち)と止まっていくと風景はどんどん雪が深くなる。それに会津坂下(あいづばんげ)まで減っていた乗客は微増している。只見線(ただみせん)の沿線は豪雪地帯であり鉄道線だけが有用な交通機関になる。それを裏付けるかのように入れ替わりが激しい。

 「奥只見(おくただみ)」の車窓を眺めていたが、

「飽きた・・・。」

「へっ。」

さっきから見ていれば色は雪の白か茶色しかない。豪雪地帯を走っているとは聞いていたが、ここまで何もないと余計に暇になる。

「向こうでも只見線(ただみせん)は乗ってたじゃん。」

「ああ、そうだけど。考えてみたら、あれって「リゾートもみじ」に乗ってたからあんまり暇じゃ無かっただけだと思うんだよねぇ・・・。」

「リゾートもみじ」とは只見線(ただみせん)を走るのって楽しい列車の一つだ。沿線の景色もそうだが、列車内でイベントも実施されるため乗っている時間の割に暇じゃないのだ。

「ああ、それは言えるかも。」

「来る季節間違えたかな。」

「・・・また秋にでも来ればいいじゃん。」

「・・・萌はここ来たい。新幹線もないよ。」

上越新幹線(じょうえつしんかんせん)が開業したら考えるかな。」

「ハハ。いつになるんだか。」

 列車は只見に到着。少ない客を降ろし、少なく客を乗っける。山をトンネルでぶち抜き、上越線(じょうえつせん)と合流する小出(こいで)駅に停車。ここまで付き合った急行から降り、上越線(じょうえつせん)の列車で越後湯沢(えちごゆざわ)に向かう。

 今日の夜も体の芯から温まろうか。二人でそんな話をした。

小出(こいで)上越線(じょうえつせん)越後湯沢(えちごゆざわ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路越後湯沢(えちごゆざわ)駅で途中下車


一口メモ

特急「あいづ」

上野(うえの)会津若松(あいづわかまつ)間を走る特急列車。


急行「奥只見(おくただみ)

新潟(にいがた)会津若松(あいづわかまつ)間を信越本線(しんえつほんせん)上越線(じょうえつせん)只見線(ただみせん)経由で運行する急行列車。只見線(ただみせん)沿線では中規模駅の旅客需要を披露側面が強い。


快速「リゾートもみじ」

東日本旅客鉄道が只見線(ただみせん)で運行する乗って楽しい列車の一つ。


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