7851T列車 眠ければ寝れば良し
皇紀2745年3月19日(第25日目) 国鉄信越本線長野駅。
糸魚川→北陸本線・信越本線急行「能登」→長野
枕崎→広尾間の最長往復切符往路豊野駅通過に伴い途中下車
豊野→長野間長野駅で下車時運賃精算の上乗車
列車内では「まもなく長野」とさえ流れない。時間はまもなく3時を迎えようとしている。こんな時間では車内放送も出来ないか。僕たちは列車から降りる。上が濃い緑、下を白に塗られた489系はわずかな停車の後、長野駅を発つ。
次に乗るのは飯山線。始発列車は5時台だ。
「どうする2時間くらい時間あるけど。」
「・・・。」
萌は何も答えない。こんな時間に起きて、眠いんだろう。「能登」でも満足に寝れていないように感じた。限界が近いのだろう。
「ファミレスでも見つけて時間潰すか。」
そう提案したけど、なかなか適当なところは見つからなかった。手頃に時間をつぶせそうなのはどうやらカラオケボックスだけのようだ。まぁ、本当ほぼ何も歌わずに過ごすだけだったけど。
なんやかんやしていて長野駅に戻ってきたのは7時を過ぎてからだった。萌はそう問う眠かったようでいる間ずっと寝ていた。起きるまで待っていたら、この時間になったというのが真相だけど。
「ゴメン、ナガシィ。私何もしてないよねぇ。」
頬を赤くしながらそう聞いてくる。
「何もしてないから。当然、こっちもね。」
「フフ。ナガシィが何もしてないのは分かってるから。萌はそう言った。まぁ起きたら僕にもたれかかって寝てたって言う現実を目の当たりにして一気に目が覚めたんだろうなぁ・・・。
「とりあえず切符買うか。」
そう言って改札口に行ってみたが、飯山線は列車がない。途中の戸狩野沢温泉行きの列車はあるが、十日町、越後川口まで行くことが出来ないのだ。
「この時間使って善光寺行こうよ。長野まで来たんだし。」
「・・・分かった。」
飯山線よりも先に善光寺に行くことになった。
長野→飯山線→十日町
長野→豊野間の乗車券使用開始ないし使用終了
枕崎→広尾間の最長往復切符往路豊野駅発車に伴い使用再開
善光寺を訪れてから、駅弁を買い込み飯山線の列車に乗り込んだ。豊野駅から最長往復切符の経路に復帰する。しかし、「能登」に乗っていたときの疲れから、終点の十日町に着くまでお互いぐっすりと寝ていた。
十日町駅でディーゼルカーから下車。するとちょうど特急列車が十日町を通過していった。流線型の車体を持った681系15両編成が新幹線と思わせるようなスピードで消えていく。調べてみるとここを通過するのは上野発上越線・北越線経由の金沢行き「はくたか」のようだ。上野と北陸を結ぶ最重要列車らしく、「白山」よりも運転本数が多い。
越後川口行きの飯山線が出発する前に上野行き「はくたか」が先に行く。
十日町→飯山線→越後川口
川沿いを走り、越後川口駅で上越線と合流。特急「とき」の合間を縫って走る普通列車で長岡駅まで移動し、特急「北越」で柏崎駅に戻る。
越後川口→上越線→長岡
枕崎→広尾間の最長往復切符往路宮内駅発車に伴い宮内駅で途中下車
宮内→長岡間特例適用の上便宜乗車
長岡→信越本線特急「北越」→柏崎
宮内→長岡間特例適用の上便宜乗車
枕崎→広尾間の最長往復切符往路宮内駅通過に伴い使用再開
「今日はどうする。新潟でやめとく。」
特急「北越」に乗っているとき僕は萌に聞いた。
「新津まで行った方が明日やりやすいんじゃない。」
眠い目をこすりながら、萌は答える。明日は磐越西線に入るであろう。新潟駅から磐越西線方面へは新発田を経由していかなければならない。磐越西線に直接はいるには今日の内に新津駅まで行っておく必要があるが・・・。
「・・・そこまで平気。」
「寝てくもん。平気よ。」
「ヤバかったら言ってよ。」
「ナガシィもねぇ。ほとんど寝てないんでしょ。私のせいかな・・・。」
「いや・・・。」
このさき新潟駅で駅弁買って新津まで行く頃には寒くなった。
柏崎→越後線→吉田
吉田→越後線→新潟
新潟→白新線→新発田
新発田→羽越本線→新津
枕崎→広尾間の最長往復切符往路新津駅で途中下車
一口メモ
国鉄681系
特急「はくたか」向けに製造された車両。最高時速160キロの高速運転に対応し、北越線内でその性能を発揮する。
特急「はくたか」
上野~金沢間を上越線・北越線経由で結ぶ特急列車。北越線内では最高時速140キロから160キロの高速運転を行う。




