7838T列車 寝ているだけ
皇紀2745年3月12日(第18日目) 国鉄伯備線新見駅。
まだ夜が明けない中で快速「帝釈ライナー」は新見駅に到着した。ようやっと拷問から解放された乗客は皆目が死んでいた。僕たちも「千鳥ライナー」、「帝釈ライナー」と夜を越えてきたが、とてもじゃないが寝れるもんじゃない。これはそこら辺を走っている格安夜行バスといい勝負なんじゃないか・・・。
「・・・。」
「萌。大丈夫。」
「もうヤダ・・・。」
「橋は普通列車に乗ったままでも寝れるだろうなぁ・・・。」
「そうねぇ。」
新見→伯備線→伯耆大山
備中神代→新見間特例適用の上便宜乗車
枕崎→広尾間の最長往復切符往路備中神代駅発車に伴い使用再開
列車に乗ったかと思うとあっという間に伯耆大山に着いた。そんなに寝てしまっていたのかと思っていたが、どうやら本当らしい。次に乗り換えるのは山陰本線だ。山陰の横移動を早くするなら特急列車に乗るのが常識だが、僕たちはあえてそれをしないことにした。今は速達移動よりも自分の疲れを取る方が先決だというのが結論だからだ。
伯耆大山→山陰本線→鳥取
枕崎→広尾間の最長往復切符往路鳥取駅で途中下車
鳥取駅では朝ご飯さえ取っていなかったことを思いだし、駅弁を買っておく。それを因美線の列車内で食べると、次に乗る姫新線の列車内では爆睡していた。
鳥取→因美線特急「スーパーはくと」→智頭
智頭→因美線→津山
東津山→津山間特例適用の上便宜乗車
津山→姫新線快速「美作ライナー」→姫路
「寝てたらいつの間にか姫路に着いたねぇ。」
「今日はすっごく早いなぁ・・・。」
「ナガシィ・・・。何か色々とすがすがしい気分になってない。」
「分かる。何か色々どうでもよくなってきた気がして・・・。こんなものが往復あるなんて考えただけで頭が昇天しそうだよ。」
「頭だけでどうやって昇天する。」
「そりゃ、なんやかんやこねくり回せば出来るんじゃないかな。」
「こねくり回すだけじゃ出来ないと思うの。」
「・・・ちょっとちゃんとした休憩が必要だよねぇ。」
「ああ・・・。」
で・・・、その休憩って言うのは何時になったら出来るのかな・・・。
「ねぇ、ナガシィ。今日これで終わりにしない。」
萌が言う。
「えっ。」
「だって、「千鳥」と「帝釈」に乗ってもう体力限界なんですけど。今ご飯食べられる気しないし、とにかく寝たい・・・。」
「寝たいかぁ・・・。」
「雲・・・寝たい。」
「じゃあ、辞めるか。」
枕崎→広尾間の最長往復切符往路姫路駅で途中下車
もう少しだけ時間を潰して、ホテルに行ったら2人ともバタンキューだった。




