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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 四国
51/270

7830T列車 発つ準備

皇紀2745年3月9日(第15日目) 国鉄(こくてつ)高徳本線(こうとくほんせん)徳島(とくしま)駅。

 徳島(とくしま)駅に急行「よしの川」が到着する。デッキには多くの人が今か今かと待っている状況だ。そんなに急がなくても。この列車はここで終点なんだから。

 ドアが開くとドット人があふれる。僕たちはその人がはけるのを待ってから「よしの川」から降りた。先頭に回ると顔の左側に円形のヘッドマークが掲げられている。平仮名と漢字で「よしの川」と書かれている。

「折り返し準備早くしろ。」

そんな声が辺りに響く。声をかけた人か走らないがひとり「よしの川」のヘッドマークをひょいと取り上げた。今まで「急行」を誇らしく掲げていた種別幕もグルグルと回され、「普通」の文字が出てきた。それで止まったところを見ると急行「よしの川」として走ってきたキハ58形は普通列車として折り返すようだ。「よしの川」の車内見てたらあまりいい施策だとも思えないけどなぁ・・・。

「ナガシィ、次は。」

「ああ。次は「うずしお」高松(たかまつ)行き。それに乗って宇高連絡船(うこうれんらくせん)だよ。」

そういう頃大きな音をまき散らしながら、4両の2000系気動車が入線する。四国にいたらどこでもお世話になるスーパー高性能気動車だな・・・。

徳島(とくしま)高徳本線(こうとくほんせん)特急「うずしお」→高松(たかまつ)

佐古(さこ)徳島(とくしま)間特例適用の上便宜乗車

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路佐古(さこ)駅通過に伴い使用再開

 1時間とちょっとで「うずしお」は高松(たかまつ)まで駆け抜けてしまう。これも振り子式をいかんなく発揮する2000系だからできる技であろう。

 高松(たかまつ)駅には「しおかぜ」とともに到着する。10両くらいつなげている「しおかぜ」と4両の「うずしお」ではどこか世界が違うような気はするが・・・。ここから僕たちは船に乗り換える。高松(たかまつ)駅からあまり離れていない場所に連絡船が停泊している。もうすでにあたりは暗くなっている。

 僕たちは通路を通って船へと乗り込む。見下ろすとディーゼル機関車にゆっくりとコンテナ貨車が押し込まれている。

「ナガシィ。後ろ詰まる。」

「・・・あっ。」

邪魔になってたか。これを写真に撮りたいところではあったけれどもそんな暇はなさそうだ。

高松(たかまつ)宇高連絡船(うこうれんらくせん)宇野(うの)

 「しおかぜ」と「うずしお」からの乗客を受け、宇高連絡船(うこうれんらくせん)高松(たかまつ)を出港。僕たちは乗っている間に晩御飯を済ませる。連絡船うどんは一度食べてみたかったからね。美味しいのかな。

 進路前方に明るい港が見えてくると船内も騒がしくなる。みな荷物をまとめ始めている。

「ご乗車ありがとうございます。まもなく宇野(うの)宇野(うの)に到着します。乗り換えのご案内をいたします。東京(とうきょう)行き寝台特急「瀬戸号」は・・・。」

と案内が開始される。

「「瀬戸」で岡山(おかやま)行っちゃう。」

「なんでだよ。さすがにバカだろ。」

「寝台特急の一区間乗車はロマンじゃないんですか。」

「「はやぶさ」とかでさえ埋まるくらいなんだから、ここでそれやったらただの迷惑だろ。」

「あら、ちゃんと迷惑は考えてるのね。」

「考えてないようで悪かったな。」

「フフフ。そう怒んないで。」

 見えてくる宇野(うの)駅の構内には長編成の青い客車と長編成を組んだ湘南色の電車、2両編成の短い電車が止まっている。僕たちが乗るのは2両編成の短い電車だ。時間かかるけど、あれが一番のんびり行ける。

宇野(うの)宇野線(うのせん)岡山(おかやま)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路岡山(おかやま)駅で途中下車


一口メモ

特急「うずしお」

高松(たかまつ)徳島(とくしま)間を走っている特急列車。


国鉄(こくてつ)宇高連絡船(うこうれんらくせん)

宇野線(うのせん)宇野(うの)予讃本線(よさんほんせん)高松(たかまつ)駅間を結んでいる鉄道連絡船。車両航送も行っており、出航前に貨車を積み込んでいる。


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