7828T列車 半家で降りたい
皇紀2745年3月8日(第14日目) 国鉄予讃本線下灘駅。
下灘駅からタクシーに乗って水仙でも見に行こう。そう思い立った。下灘駅と串駅の中間ぐらいに日本水仙花開道という公園があると知ったためだ。水仙の見ごろは12月から2月にかけてということだが、どうだろう。行ってみると、確かに見頃は過ぎているようでちょっとだけ美しさが減っているようで思える。
「まぁ、これはこれでよかったんじゃない。」
萌がそう言ってくれることは救いでもある。
水仙の花を一通り見てタクシーで下灘に戻る。タクシーの運転手さんは串駅の方が近いと言って案内しようとしてくれたが、僕たちはそっちに用がない。変な客だと思われることは百も承知だが、運転手の気遣いだけ受け取っておくことにしよう。
下灘→予讃本線(旧線)→伊予大洲
海岸線をずっと走り続けていた旧線も海岸と別れ、伊予大洲駅に停車。伊予大洲からは再び特急列車に乗り換え宇和島を目指す。宇和島駅でお昼を過ぎたぐらいの時間になったる。
「萌、宇和島で何食べようか。」
「宇和島と言えば鯛めしでしょ。」
宇和島で鯛めしを食べるのは既定路線らしい。萌は問いに即答した。
「結構高いけどなぁ」
「ケチケチしない。いいでしょ。」
「食べるなとは言ってないから。」
伊予大洲→予讃本線特急「宇和海」→宇和島
枕崎→広尾間の最長往復切符往路北宇和島駅通過に伴い途中下車
北宇和島→宇和島間宇和島駅で下車時運賃精算の上乗車
鯛めしを食べ終わって宇和島駅に戻る。宇和島駅からは予土線の列車に乗る。
宇和島→予土線・土讃本線特急「しまんと」→高知
宇和島→北宇和島間の乗車券宇和島駅から使用開始ないし北宇和島通過に伴い使用終了
枕崎→広尾間の最長往復切符往路北宇和島駅通過に伴い使用開始
特急「しまんと」は四万十川の沿線を走る。2000系気動車を使っているもののあまり早くはないな。予土線はあんまり作りのいい路線とは言えないらしい。いくらスーパー高性能気動車でも、足元がおぼつかなければ速く走れるものも速く走れないようだ。
「そういえば半家駅って予土線にあったよなぁ。」
と僕が言う。
「もう特急乗っちゃったんだから、降りられないわね。」
「そうだな。」
「でも、ナガシィ。半家駅行ってどうするの。」
「・・・。」
そういえばその事全く考えてなかったな。半家駅でハゲ頭を撮るなんて言うことも考えてないしなぁ・・・。その時だけ丸坊主にでもする。いやいや、丸坊主は僕が嫌。
「普通列車で半家駅の駅名表撮れるだけでもいいか・・・。」
「ああ、それでもいいの。」
「それでもいいの。」
枕崎→広尾間の最長往復切符往路高知駅で途中下車
一口メモ
特急「しまんと」
高知~宇和島間を走破する特急列車。2000系気動車をつかっち得るものの低規格な予土線を走破するにはやはり足元が頼りないだ。
予土線半家駅
半家の由来は平家の落人が源氏からの追討を逃れるために横棒を移動させたらしい。ハゲをネタにされるような駅ではあるが、とてもネタにしていいような理由じゃない・・・。




