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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 四国
47/270

7826T列車 走るマッチ箱

皇紀2745年3月7日(第13日目) 国鉄(こくてつ)予讃本線(よさんほんせん)堀江(ほりえ)駅。

 仁堀航路(にほりこうろ)堀江(ほりえ)駅の接続はいいとは言えない。僕たちが乗ってきた便と堀江(ほりえ)駅から出る列車はちょうど同時刻。次の列車は約40分後にやってくるものまでない。これじゃあ使う人いないなぁ・・・。

 堀江(ほりえ)駅で列車を待っていると予讃本線(よさんほんせん)の特急「しおかぜ」が高速で駆け抜けていった。

堀江(ほりえ)予讃本線(よさんほんせん)松山(まつやま)

 3両編成の気動車に乗り込む。真中が両開きで両端についているドアが片開きになっている。変なドア配置だが、乗降の便を考えてのことらしい。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路松山(まつやま)駅で途中下車

 今日の移動はここまでだ。松山(まつやま)の駅前に出ると路面電車が走っているのが見える。そこにちょうどマッチ箱のような列車がコトコト音を立てて走っていく。

「萌。あれ乗る。」

「「坊っちゃん列車」。乗る乗る。」

決定だな。

松山駅前(まつやまえきまえ)伊予鉄道(いよてつどう)「坊っちゃん列車」→大街道(おおかいどう)

 古町駅で向きを変えてきた「坊っちゃん列車」。見た目はどこから見ても蒸気機関車だが、ディーゼル機関車だ。乗客は後ろにつながれている2両の客車に乗り込む。デッキからドアを開けて、車内に入ると木の椅子が横向きに並んだ昔の客車の様相を呈する。

 南堀端駅からいったん分岐し、松山市駅(まつやましえき)に乗り入れ。松山市駅(まつやましえき)は行き止まりの駅のため「坊っちゃん列車」は方向転換しなければならない。乗客はいったん降りて、その光景を見るのだ。

 まず機関車が客車と切り離さる。身軽になった機関車はまるで「イエーイ」と言っているように見える動きで反対側の線路に入ろうとする。

「あれ、止まっちゃった。」

「これから面白いことが始まるよ。」

そういうと乗務員さんが二人降りる。左前方と左後方に乗務員が付く。すると機関車が人力でクルッと向きを変える。

「えっ。そんなカワイイ回り方するの。」

「なっ、面白いだろ。」

松山(まつやま)に来たら一度は見ることをお勧めしたい光景だ。

 再びマッチ箱に乗り込み、大街道(おおかいどう)駅で下車。大街道(おおかいどう)から松山(まつやま)城へ行き、日本に残る数少ない天守閣を見学。松山(まつやま)城をまわってから、大街道(おおかいどう)から再び路面電車に乗り、道後温泉(どうごおんせん)を目指す。名湯に入っていい気持ちになると、今日はいい夢が見れる気分だ。

大街道(おおかいどう)→徒歩→松山(まつやま)

松山(まつやま)城→徒歩→大街道(おおかいどう)

大街道(おおかいどう)伊予鉄道(いよてつどう)道後温泉(どうごおんせん)

道後温泉(どうごおんせん)伊予鉄道(いよてつどう)大街道(おおかいどう)


一口メモ

国鉄(こくてつ)1000系気動車

1両ワンマン運転対応のディーゼルカー。真中の乗降用扉のみ両開きで、両端にある乗降扉は片開きドアとなる珍しい構造を持つ。


伊予鉄道(いよてつどう)「坊っちゃん列車」

「マッチ箱のような列車だ。コトコト5分ばかり乗ったと思ったらもう降りなければいけない」と夏目漱石が表現した列車の復刻版。


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