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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 四国
46/270

7825T列車 鉄道航路やる気無し

皇紀2745年3月7日(第13日目) 国鉄(こくてつ)呉線(くれせん)(くれ)駅。

 (くれ)駅の改札口を出るとやはり軍港の街だと実感する光景が広がっている。見渡せば「帝国海軍」の文字が目に入る。いる人も男性の方が多く見える。だが・・・、

「小学生かな・・・。セーラー服着てる子。」

萌が言う。確かに、かなり背の低い女の子もいる。口にくわえているものからは白い煙も見える。おいおい、あんな小さい子がタバコ吸ってていいのかよ。そう思ったが誰も注意しない。ここでは普通の光景になっているのだろうか。

「綾波、敷波。出迎えご苦労。」

さっきの人が小さい子たちに声をかけていた。女の子楽しない名前に驚きつつも、流した。

(くれ)呉線(くれせん)快速「安芸路(あきじ)ライナー」→(ひろ)

(ひろ)呉線(くれせん)仁方(にがた)

仁方(にがた)(くれ)間の乗車券(かえり)(くれ)駅から使用開始

 (くれ)駅からは「あき」で来た道を少し戻る。僕たちが使っている最長往復切符は通過した仁方(にがた)駅まで呉線(くれせん)を利用することになっているためだ。そこから四国にわたる。

 来た列車は仁方(にがた)駅の一つ手前(ひろ)止まりだが、(ひろ)から三原(みはら)行きの普通列車に変身するためそのまま乗る。

「間もなく仁方(にがた)仁方(にがた)です。運賃切符は乗務員にお渡しください。」

それでアナウンスは終わった。「乗り換えです」の一言さえなかった。

 駅を降りるとただの街が広がっている。道の看板で「←仁方(にがた)港」となっているだけ。四国へ渡れるとも書いていない。

「不親切ねぇ。」

萌の一言は決して辛辣だとも思わなかった。

仁方(にがた)仁堀航路(にほりこうろ)堀江(ほりえ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路仁方(にがた)駅から使用再開

 国鉄(こくてつ)航路の中で最も無名な航路と言われた仁堀航路(にほりこうろ)。それは確かにその通りなのだろう。「安芸路(あきじ)ライナー」から仁堀航路(にほりこうろ)に乗り換えたのは僕たちだけだった。他に客はいるが、ほとんどトラックの運転手らしい。仁堀航路(にほりこうろ)来島丸(くるしままる)」は「ボーッ。」と汽笛を鳴らし仁方(にがた)港を離れた。

 瀬戸内海を「来島丸(くるしままる)」はのんびり航行する。僕は船の揺れっていうものには同も慣れないため海風に当たっていることにした。

「ほう・・・。」

ちょうど明石方面に向かって駆逐艦の群れが行く。それの中間あたりに一際ごつごつした大きい船がいる。戦艦じゃなさそうだけど、何だろう・・・。まぁ、何でもいいか。

「あんまり見てると憲兵さんに疑われるわよ。」

そういいながら、萌が隣に来た。

「うーん・・・。見るだけならまだいいんじゃないんですかね。」

「フフフ。まぁ、自衛隊とか撮ってる人もいるからねぇ。弁えればいいだけじゃない。」

 瀬戸内海を渡り、四国堀江(ほりえ)港に入港。ここまで僕たちを運んできてくれた「来島丸(くるしままる)」はまた仁方(にがた)港へと戻る便となる。

「でも、これはいい加減にしてくれないかなぁ・・・。」

堀江(ほりえ)港も予讃本線(よさんほんせん)堀江(ほりえ)駅からは離れている・・・。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路堀江(ほりえ)駅で途中下車


一口メモ

仁堀航路(にほりこうろ)

呉線(くれせん)仁方(にがた)予讃本線(よさんほんせん)堀江(ほりえ)間を連絡する鉄道航路。駅と港はどちらも離れているほか、特段案内されないうえに列車と船の接続は必ずしもいいとは言えない。


国鉄(こくてつ)瀬戸丸(せとまる)型貨客船「来島丸(くるしままる)

仁堀航路(にほりこうろ)に就役する貨客船。


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