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7783T列車 考えてもみない

「ねっ、映画でも見に行こうよ。」

お休みに萌がそう誘ってきた。特に断る理由もないため誘いに乗ることにした。

「萌と映画行くのって何時ぶりだろうなぁ・・・。」

「ああ。何時ぶりだろうねぇ。と言うか、ナガシィと映画ってなかなか行かないよねぇ。映画行かないでカラオケ行っちゃうから。」

「・・・。」

ああ、それもそうかぁ・・・。

「まっ、そもそもナガシィと私の映画の趣味が合わないもん。」

「えっ。」

「だってナガシィはSFとかノンフィクションのミリタリーものとかそういうのが見たいでしょ。私は恋愛ものとか見て、キュンキュンしたいんだって。」

よく分かっていらっしゃる・・・。出も、萌って恋愛もの見てキュンキュンするとかっていう趣味合ったっけなぁ・・・。分からない事って有るもんだなぁ。

 それはさておき、映画館やショッピングモールが複合したよくある複合施設に来たが、まだ時間がある。こういう時は必殺、本屋で時間を潰すに限るのだ・・・と行きたかったものの見る映画が決まってない移譲先に映画を決める方が先か。萌が見たいって言うものはついた時間からいち早く上映されるものだったらしく、上映が終わるまで本屋はお預けになった。

 映画が終わると、

「あー、面白かった。私もああいう人に恋したかったなぁ・・・。」

という。

「悪かったね。あんなじゃなくて。」

「嘘、嘘。冗談。私の王子様は今も昔もナガシィだけです。」

「・・・。」

そう言われると恥ずかしいなぁ・・・。僕がちょっと顔を逸らすと、

「ナガシィそろそろ本屋さんでも行きたかったんじゃない。晩ご飯の前に本屋さん寄ってもいいわよ。」

何もかも見透かしたように・・・。萌のそう言うところが凄い。感謝を述べつつ、感心もする。

 本屋に入ると僕は真っ先にサイエンスブック売り場に行くことにきめた。鉄道ファンが鉄道雑誌を差し置いて、他の本にいってしまうのはどうかと思う人もいるかもしれないが、そんなことは関係ない。

「あれ。」

サイエンスブックは本屋の奥に置いている。だが、僕はそれよりもずっと手前で足が止まった。本棚には分厚い本が置かれている。鉄道ファンならまず誰しも読める時刻表だ。

「どうしたのナガシィ。」

「いや。これさ。」

僕は時刻表を手に取る。それの表紙は急行形ディーゼルカーのキハ58形・・・。

「キハ58だっけ。」

「うん。」

どういうことだ。僕らからしてもこの車両は古いということで一致している。

「考えもしなかったなぁ・・・。」

僕は心の興奮を抑えられないことに気付いた。


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