7815T列車 ロマンスの欠片もなし
皇紀2745年2月26日(第4日目) 国鉄松浦線平戸口駅。
地方にありがちな平戸口駅で列車を待つ。辺りはとても穏やかでのんびりした雰囲気だ。ここを訪れるキハ40形の歩みもどこかゆっくりしている。
「急がず、焦らず。そんな急いで何処に行くんだい。」
そんな声が聞こえてきそうだ。
平戸口→松浦線→伊万里
枕崎→広尾間の最長往復切符往路平戸口駅より使用再開
海岸線をのんびりと通る。列車が線路の継ぎ目をたたくと上下にバウンドし、さらに左右へゆらされる。乗り心地はいいものとは決して言えないが、これが「ザ鉄道」と思わせてくれる。
松浦駅、伊万里駅でこの列車は20分くらい止まる。その間に反対方面行きの急行「伊万里」や後ろから追ってきた急行「平戸」をやり過ごす。急行「平戸」は博多行き。あれに乗れば博多まで早く行くことが出来るが、あえてそれはしないことにする。
枕崎→広尾間の最長往復切符往路伊万里駅で途中下車
伊万里は焼き物で有名な場所である。せっかくだから、降りてみようと言うことだ。まぁ、陶芸体験をするわけじゃないけれども・・・。
「で、伊万里に来たのに選択は「カブトガニ館」頭おかしいんじゃない。」
萌はそうぼやいたが、それでも着いてきてくれるだけ感謝しないとね。
タクシーを拾って伊万里カブトガニ館に向かう。途中「この橋は夫婦で渡ると仲むつまじく暮らせるって言われてるんです。相生橋って言うんです。」そうタクシーの運転手さんが教えてくれた。
カブトガニ館についてタクシーを降りてから、
「じゃあ、もっとくっついていられるよね。」
と萌が言う。
「やめろ。」
「えー。何で。ナガシィ、私と仲むつまじく暮らしたくないの。」
「もう十分仲むつまじいだろ。」
「ヤダ、ヤダ。もっと仲良く暮らしたい。」
「・・・。」
カブトガニ館を見て回り、帰りは伊万里津大橋を通って伊万里駅に戻る。伊万里駅からは筑肥線の列車に乗って、唐津を経由して博多へと向かう。姪浜からは地下鉄が別れ、博多を目指す。途中の駅から学生を大量のため込み、博多で一気に吐き出した。僕らもそれに押されるように博多駅のホームに出て行くこととなった。
19時前に着いた。博多でも2月は寒い・・・。
伊万里→筑肥線→東唐津
東唐津→筑肥線→姪浜
姪浜→筑肥線→博多
枕崎→広尾館の最長往復切符往路博多駅で途中下車
一口メモ
国鉄筑肥線
鹿児島本線博多駅~松浦線伊万里駅間を結ぶ路線。途中の姪浜~唐津間では福岡市営地下鉄線からの直通運転も行っているため、直流電化されている。ただし、博多~姪浜の一部区間は交流電化となっている。




