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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 九州
31/270

7810T列車 飛ばせ、「にちりん」

皇紀2745年2月25日(第3日目) 国鉄(こくてつ)日豊本線(にっぽうほんせん)宮崎(みやざき)駅。

「うわぁ。」

朝、萌の悲鳴と共に目覚めた。

「ウソッ・・・。時間過ぎてる。ナガシィ、早く起きて。」

「・・・時間。」

「もう過ぎてるって。早くしないと待ち合わせの時間に間に合わなくなる。」

「・・・ッ。」

僕は時間が9時を過ぎていることに驚いた。乗る予定の列車は8時06分に既に発車している。それから1時間近く経ってからのお目覚めとなったのか。さっさと支度して宮崎(みやざき)のホテルを出る。次に出る大分(おおいた)方面行きの特急「にちりん」は9時30分だ。

宮崎(みやざき)日豊本線(にっぽうほんせん)特急「にちりん」→大分(おおいた)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路宮崎(みやざき)駅から使用再開

 ホームにあがると真っ赤な車体の485系が止まっていた。鹿児島(かごしま)でも見た「NICHIRIN EXPRESS」の文字が目立つ。

「これを見るといかにも九州って感じがするな。」

「感心してる場合じゃない。早くしないと自由席埋まっちゃうよ。」

萌に促されながらも、僕はつぶさにRED EXPRESSを観察した。方向幕は「特急にちりん 博多(はかた)」となっている。かなり長い距離を走る。これだけで東京(とうきょう)から岐阜羽島くらいまでの移動となるらしい・・・。

 自由席の乗車率は結構高い。2人そろって座れる席はかなり少ない。僕たちが座れる席を見つけた辺りで2人分空いているところはなくなった感じか。列車はがくっと灯と揺れしてから宮崎(みやざき)駅を出発する。

 日豊本線(にっぽうほんせん)を時速120キロで飛ばし、車輪は軽快に継ぎ目をたたく。今乗っている「にちりん」は細かく停車しながら、進んでいく。大分(おおいた)には12時40分に到着する。

「あっ、萌ちゃん。」

「ごめん、梓。遅れた。」

「ううん。平気。寧ろこっちがあやまらなきゃね。時間作って貰ったんだし。」

大分(おおいた)のホームでは先に待っていた鳥峨家と梓に会う。萌が先に声をかけていた。

「嫁が迷惑かけたな。」

僕の隣で鳥峨家がつぶやく。

「迷惑とは思ってないよ。それにしても結構急に決まったよね。」

「君らが旅行で照ってから梓ちゃん「どっか連れてけ、連れてけ」ってうるさかったからなぁ・・・。まっ、いい思いさせてくれるって取引したから問題ないけど。」

顔がにやけてるぞ・・・。

「梓ちゃん。」

「わっ。」

「お昼ご飯どうするの。せっかく合流したんだし、食べようよ。」

「ああん、もう。私は食べちゃダメだからね。」

「いや、梓ちゃんじゃなくて。お昼ご飯。」

何か大変なこと口走った気がするけど、まぁいいや。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路大分(おおいた)駅で途中下車

 お昼ご飯を済ませてから、タクシーを拾って高崎山自然動物公園に行ってみる。高崎山には野生の猿が住んでいる。僕ら人類も入る霊長類の生活を垣間見ることが出来る。

「ナガシィがいる。」

「本能のままで生きるところは大希とそっくり。」

萌と梓はそう言ってたけどねぇ・・・。

「エッチなところは梓ちゃんにそっくりだけどね。」

「大希喧嘩売ってる。」

と梓。

「僕はあれとは違うんだけどなぁ・・・。」

「フフ。言ってみただけ。」

と萌が言った。


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