8049T列車 戻る憂鬱
皇紀2745年7月7日(第136日目) 国鉄広尾線帯広駅。
道東、帯広市。十勝平野にある一大都市だ。ここにやって来る鉄道は釧路~札幌とそれぞれ結ぶ根室本線と大雪山系へ繰り出す士幌線。そして、襟裳岬へ向かって線路が延びる広尾線だ。僕達が乗るのは広尾線になる。
ホームにあがると釧路行きの特急「スーパーおおぞら」と広尾行きの快速「スーパーとかち」が入るとアナウンスが流れる。それが収まる頃に萌黄色の車両がホームに入ってきた。帯広まで12両編成で走ってきた特急「スーパーおおぞら」はここで後ろに連結されている特急「スーパーとかち」4両を切り離し、残り8両で釧路に向け走って行く。その準備は速く到着して2分も経たずに帯広を後にした。
「乗ろうか。」
広尾線の利用者に混じって普通車に乗り込んだ。自由席は2両。座席はほぼ全部埋まっていた。
「指摘席にでもするか・・・。」
「賛成。」
指定席は自由席とはうって変わりガラガラだ。皆、料金を払うのが惜しいんだろう。
帯広→広尾線特急「スーパーとかち」(帯広から快速)→広尾
枕崎→広尾間の乗車券帯広駅から使用再開
広尾線を走る列車はとてものんびりしている。走っても時速80キロくらいだ。さらに、かなりの数駅に停まる。たまに車両1両も入らない駅に停まることもある。こんな車両で止まるには似つかわしくない。それが楽しめるのも末端線に入る特急列車(快速列車)ならではだ。
「ご乗車ありがとうございました。後約2分で終点、広尾です。どなた様もお忘れ物なさいませんようお降りください。本日も国鉄をご利用くださいましてありがとうございました。自動放送のご案内は○○でした。」
枕崎→広尾間の乗車券使用終了
「日本縦断してきたけど、遠いわね。」
「昨日と同じ事言ってるな。」
「フフフ。そう言いたくなるのよ。」
「・・・さて、これで全部終わったわけだけど、どうする。このまま帰る。」
「ええ。このまま帰るの。何か味気なくない。」
「言っとくけど、最長往復切符が終わったときも結構味気なかったからね。」
「フフフ。じゃあ、帰ろうか。私、しばらく旅行はいいし。」
「10月期待しといてね。」
「はーい。楽しみに待ってます。」
「・・・。」
「・・・。」
こっから浜松に帰るのが憂鬱だ・・・。
広尾→浜松間の乗車券使用開始および使用終了
広尾→広尾線→帯広
帯広→根室本線・函館本線・千歳線・室蘭本線・函館本線特急「まりも」→函館
函館→青函航路→青森
青森→東北本線特急「はつかり」→上野
上野→東北本線(京浜東北線)→東京
東京→東海道本線急行「長良」→浜松




