7804T列車 城山登山
皇紀2745年2月21日 国鉄鹿児島本線西鹿児島駅。
一昨日から何時間ベッドの上で過ごしているだろうか。寝台特急に乗っていて疲れはないのだが、僕たちはベッドの上でごろんと寝転がっていた。時間はまもなく9時になろうとしている。ホテルのチェックアウトの時間は10時だから、あと1時間くらいしたらここからでなければならないか・・・。
「ナガシィ・・・。」
「なぁに。」
「そろそろお布団から出たらどうなのかなぁ・・・。寝坊助さん。」
「・・・ちゃんと起きてるから寝坊助じゃないよ。」
「昨日のこと。」
「んっ・・・。」
「昨日「はやぶさ」でナガシィのベッド占有してたの根に持ってる。」
「別に・・・。」
「絶対根に持ってる。そんな子供みたいな事してないで。」
「・・・。」
まぁ、そろそろ起きることにしようか。
ホテルを出て鹿児島の街を歩いてまわる。やっぱり城山に行ってみるか。城山登山を昨日ほとんど動いてなかった分の埋め合わせとして動き回る。
「ハァ・・・ハァ・・・。何か疲れるなぁ。」
「情けないぞぉ。ナガシィ。」
「うるさい・・・。萌、うるさい。」
「フフフ。」
城山を山頂まで登ってみると鹿児島市内を一望できる。少しばかりこの景色を見ていよう。これを休息としよう。
「ナガシィ・・・ハァ、体力落ちた。」
「息の上がってる奴に言われてもなぁ・・・ハァ・・・。」
「ハァ・・・何で若い体なのにこんなに・・・ハァ・・・。」
「向こうで歳食っててあんまり体動かしてなかったからかなぁ・・・。体動かせばそれなりに体力が付くのかもしれないけど。」
「そうかもね・・・ハァ・・・。」
「じゃあ、今日はずっと鹿児島市内歩いてまわるかぁ・・・。お互い体力作りって事に知ればいいだろ。」
「ええ。荷物どうするの。このまま持って歩くの。」
「それもそれでいい運動になるんじゃないか。」
「私はヤダ・・・。」
じゃあ、どうするんだよ。僕はそう言いたくなった。すると、
「今日は何もしないってことにしましょう。ホテル14時になったら戻っていいんでしょ。」
「ああ・・・。だから、そこまでどうするのさ。萌。」」
「うーん・・・。」
「・・・何も考えてないんだ。」
「ちゃ・・・ちゃんと考えてるよ。」
そんな言い訳が良いわけないだろ。とギャグを飛ばしている場合じゃない。僕だってもえと長いこと暮らしてるんだ。ちょっとくらいなら萌が何考えてるのかぐらいは分かるぞ。それを読み取ったのか、
「今のはあやまるって。歩いて体力作りでもしようか、何かそれが一番良さそうだし。」
「じゃあ、そうするか。」




