8026T列車 高い目線
皇紀2745年6月27日(第126日目) 国鉄東海道新幹線浜松駅。
東海道新幹線。東京~新大阪間を結ぶ日本の一大動脈。かつて世界の笑いものになるとさえ言われた路線は今や日本になくてはならない存在となった。新幹線の本数もさることながら、中央新幹線が開業した現在でも本数が多い。
向こうじゃ東京方面への始発列車が設定されている浜松だが、こちらでは博多方面の速達「ひかり」が始発列車として設定されている。
「ナガシィ、嬉しそう。」
「そう見える・・・。」
「見えるよ。これから乗れるんだもんねぇ。」
止まっている新幹線は花形の100系。前にも京都から新神戸の間で乗っているが、今度は乗る区間が長い。その為に僕は2階建てグリーン車の切符を取った。そりゃ、気分も高まるってものだ。
ドアが開いて8号車の車内に入る。8号車の1階はカフェテリアという売店になっている。グリーン席は2階だ。階段を上がると大きな座席が4列並んでいる。
「おお。これが100系のグリーン車。凄い。」
座ってみるとフワッと体を包み込む感覚だ。これは・・・いい。
浜松→東海道新幹線・山陽新幹線「ひかり」→広島
三原→浜松間の乗車券復路使用開始
いつの間にか浜松駅を出発していた。浜松駅も発車したことだし、グリーン席の1階にあるカフェテリアにでも行ってみようか。カフェテリアは100系G編成とN編成の8号車に連結された売店。結構品揃えがいいらしい。
「選び放題だね。」
「萌は何がいいの。」
「んっ、買ってくれるの。いいよ別に、そんなことしてくれなくても。」
「そう・・・。」
「・・・じゃあ、買って貰おうかな。」
「で、どれ。」
「一番高いの。」
「・・・あっ。うん。」
「懐事情があれ・・・。」
「いいよ、萌。そんなこと気にしなくて。」
でも、これはさすがにコンビニと同じとは行かないなぁ。鉄道車両の中にある売店だからコンビニよりも割高になってしまっているのは仕方ない。
自分たちのグリーン席に戻って、駅弁を広げる。鉄道車両で食べる駅弁はやっぱり美味しい。それにプラスして100系の2階建てと言うこともあって景色がいい。
「あっ・・・。」
ちょうど反対側を0系が通り抜けていった。屋根が見えるって言うのはE4系を思い出すなぁ。
「東海道で目線高いって新鮮だな・・・。」
「こっちは100系以外で2階建て連結したことなかったもんね。」
「そうだな・・・。」
流れる風景を見ながら、のんびり行こう。




