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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(復路) 四国
245/270

8024T列車 理想と現実の狭間

皇紀2745年6月24日(第123日目) 国鉄(こくてつ)予讃本線(よさんほんせん)宇和島(うわじま)駅。

 昨日の晩ご飯は鯛飯だった。やっぱり本場は美味しい。鯛の身がぷりぷりなのは「素晴らしい」。気付けばご飯がなくなるほど素晴らしい。

 さて、それはさておき宇和島(うわじま)駅にはエンジンを振るわせて高松(たかまつ)行きの特急「しおかぜ」が止まっている。こんな所から高松(たかまつ)まで行くのか・・・。これの乗客の内一体何人が高松(たかまつ)まで行くのかは知らないが、相当な長旅であることに変わりはない。

宇和島(うわじま)予讃本線(よさんほんせん)特急「しおかぜ」→伊予大洲(いよおおず)

宇和島(うわじま)北宇和島(きたうわじま)間の乗車券使用開始および使用終了

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路北宇和島(きたうわじま)駅通過に伴い使用再開

 山間を高速でぶっ飛ばし、伊予大洲(いよおおず)駅に滑り込む。伊予大洲(いよおおず)駅に入る手前、右側に大洲城が見える。あれを見てから予讃本線(よさんほんせん)で先へ進むことにする。さすがにこれの往復はタクシーを活用することにした。大洲城の見学をしてから普通列車で内子(うちこ)に向かう。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路伊予大洲(いよおおず)駅で途中下車

伊予大洲(いよおおず)予讃本線(よさんほんせん)内子(うちこ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路内子(うちこ)駅で途中下車

「凄い・・・。京都(きょうと)みたい。」

内子(うちこ)の町並みを見て「倉敷(くらしき)みたい」とは言わないんだな・・・。倉敷(くらしき)から「解せぬ」って言葉が聞こえてきそうだ・・・。

京都(きょうと)はどっか作られた古い建物って感じだけど、こっちはありのままが残ってる感じがするなぁ。」

「・・・そう。」

「僕がそう感じるってだけ。萌がそう思わないなら、それはそれでいいよ。」

「・・・そういうことにしとくわ。ナガシィ、こういう所住んでみたいと思わない。」

「思わないね。」

との即答に

「もう。夢がない。」

と言う。

「別に。僕達は便利な暮らしを知りすぎたから、今更こういう暮らしに入ることが出来ないってだけだよ。」

「・・・そう。」

「僕達、こっちで向こう出来ないこと沢山やれてそれで何か満たされたことあるか・・・。」

と萌に聞いてみた。萌はそれにしばらく何も答えなかった。自分のなかで何かいい答えを見つけようとしているのかもしれない。

 だが、僕は萌が何を言おうと意見を変えるつもりはない。「天北(てんぽく)」の時も連絡船に乗ったときも一番に感じたのはそれらの「不便さ」と「過剰なまでの美化」だった。「天北(てんぽく)」に乗ったときはそれが最高潮に達したことを悟ってしまったのだ。「昔がいい」言うのは勝手だが、それって思ったほどいいものじゃない。それに一度知ってしまった便利さって簡単になくなっていいものでも無いんだ。

「萌。」

「・・・あっ、ちょっと待って。」

そう言って萌は僕の近くに寄ってきた。

「ナガシィとならどんな場所でもどんな時代でも暮らせそうな気がするけどなぁ。」

「現実はそうじゃないって・・・。」

「・・・あっ、置いてくな。」

「早く来い。」

「・・・あんまり私に意地悪すると後で絶対痛い目に遭わせるわよ。」

「それは簡便。」

内子(うちこ)予讃本線(よさんほんせん)特急「宇和海(うわかい)」→松山(まつやま)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路内子(うちこ)駅から使用再開

松山(まつやま)予讃本線(よさんほんせん)堀江(ほりえ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路堀江(ほりえ)駅で途中下車


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