7997T列車 それは予想碍子
皇紀2745年6月11日(第110日目) 国鉄和歌山線和歌山駅。
朝の和歌山駅は大阪への通勤需要が多い。そちらに向かう列車の主力は「紀州路快速」である。青にグラデーションのかかったラインが特徴の223系が12両も連なっている。この時間はまだ関空からの列車は無いし、旺盛な通勤需要に応えるためだろう。一方で、僕達が乗る和歌山線はのんびりとしている。ただ、和歌山にやって来る方は少々慌ただしい。
和歌山→和歌山線→橋本
枕崎→広尾間の最長往復切符復路和歌山駅から使用再開
枕崎→広尾間の最長往復切符復路橋本駅で途中下車
僕達は一端橋本駅で降りた。橋本で降りて向かうところと言えば高野山だろう。
橋本→南海電鉄高野線→極楽橋
極楽橋→南海電鉄鋼索線→高野山
橋本→高野山間の乗車券使用開始および使用終了
ここら辺はもう慣れた道だ。さっさと歩みを進めていく。しかし、元から天気が悪かったのか、歩いている間に雨が降ってきた。鞄の中から傘を出す。
「ここに来たら、いつも思うんだけど最澄と空海って仲悪かったのは直らなかったのかな。」
と萌が言う。さらに続けて、
「光と智萌だって仲いいわよ。」
「・・・まぁ、最澄からしてみたら裏切られ立った感情の方が強かったんじゃないか。まさか弟子が鞍替えして帰ってくるなんて思ってなかっただろ。」
「それはそうかもしれないけど・・・。でも自分の弟子よ。師匠が信じなくて誰が信じるの。」
「・・・心ってそんな簡単じゃないって事でしょ。」
「うーん。そう言うもんかなぁ。」
「僕達だって似たようなもんだろ。何がきっかけですれ違うか分かんないでしょ。」
「いや、私達はそんなことないよ。もういくらでもすれ違ってきたし。」
「あったっけ。」
「あったわよ。具体的には言わないけど、その・・・沢山。」
「ふっ、ざっくりしてるなぁ。」
「いいじゃない。長いつきあいなんだから、いちいち覚えてないって。」
「結婚記念日とかは覚えてるのに。」
「そっちは大事だから。ナガシィがそういう方面に鈍感なだけよ。」
「・・・まぁ、そういうことにしといて・・・。」
高野山の参拝が終わったら南海電鉄に乗って橋本駅まで戻る。和歌山線でこのまま奈良に行っても時間的余裕ってものはまだある。東大寺とか行って鹿に煎餅でも上げてくるか。それを楽しむだけの時間はまだあるようだ。
高野山→南海電鉄鋼索線→極楽橋
極楽橋→南海電鉄高野線特急「こうや」→橋本
高野山→橋本間の乗車券使用開始および使用終了
橋本→和歌山線・桜井線→奈良
枕崎→広尾間の最長往復切符復路奈良駅で途中下車




