7992T列車 最短寝台
皇紀2745年6月8日(第107日目) 国鉄関西本線亀山駅。
静岡→東海道本線・関西本線・紀勢本線寝台特急「紀伊」→紀伊勝浦
静岡→名古屋間の乗車券使用終了
枕崎→広尾間の最長往復切符復路名古屋駅から使用再開
「おはよう。」
ふと目が覚めると列車は亀山駅に停まっていた。僕達は気分転換がてら亀山駅のホームに降りた。静岡駅では10両以上繋いでいた列車は今6両編成になっている。ここではさらに2両減って、4両編成になってしまう。僕達から見て右側ではオレンジ色のディーゼル機関車DD51が連結作業の真っ最中だ。
「寝台特急「大和」発車です。」
短く列車の発車を告げた。朝早いというのにもう列車にカメラを向ける人の姿もある。
「何か、寝台特急として同よって短さまで短くなっちゃったなぁ・・・。」
2両編成でホームを離れていく「大和」はとても身軽そうだ。引っ張っている機関車も「ようやっと荷物が少なくなった」と喜んでいるに違いない。
「萌。駅弁買って車内行こうか。」
「はい、はい。」
寝台特急に戻って駅弁を食べる。津駅が近づいてくると近畿日本鉄道の線路が見えてくる。そちらは特急や急行列車が多数発着している。それを横目に「紀伊」はかなりのんびりしている。特急の割にゆっくり出来るのは良い事だ。
それからは空腹が満たされたことから眠気が襲ってきて、終点の紀伊勝浦に到着するまでぐっすり眠っていた。
枕崎→広尾間の最長往復切符復路紀伊勝浦駅で途中下車
紀伊勝浦でちょっと降りてそこら辺を回ってみようかと思ったが、ちょっと朝早すぎた。寝台特急が来るのにここら辺はようやく起き始めたという感じだ。一方で、鉄道に絡む朝は早いようだ。京都行きの特急「オーシャンアロー」は既に2本目の4号がでる。この列車で串本駅まで行く。
紀伊勝浦→紀勢本線特急「オーシャンアロー」→串本
枕崎→広尾間の最長往復切符復路串本駅で途中下車
串本駅で降りて、駅の外へ出ると「本州最南端の駅」の碑がある。
「こういうのを見ると一番南に北って感覚になるよね。」
「確かにな・・・。でも、まだ九州とかもあるし。」
「そうだけど・・・。」
だが、問題はそこじゃない。これからどうするかだ。特急で来たって事もあり、観光地が開くにはまだまだ時間がかかる。潮岬まで歩いて行っても1時間10分程度で着いてしまうらしい。
「・・・。」
「いい暇つぶしになるし、歩いて行こうよ。せっかくここまで来たんだし、潮岬くらいさ。」
「・・・じゃ、何話す。」
「別に何でも。」
そう言って、僕達は串本の街へ繰り出した。




