7800T列車 成田遠征
皇紀2745年2月19日 国鉄常磐線北千住駅。
仙台→東北本線・常磐線・東北本線寝台特急「ゆうづる」→上野
「皆様、おはようございます。本日は皇紀2745年2月19日。時刻は5時20分です。あと10分ほどで終点上野駅に到着いたします。どなた様もお忘れ物、落とし物なさいませんようお支度ください。」
車掌からそう切り出される。おはよう放送というものだ。仙台到着の段階から列車の放送発されていなかった。これが僕たちの聞く最初で最後の放送だ。
「おはよう。」
下段寝台から萌の声が聞こえた。
日暮里駅が近づいてくると右側から多くの線路が合流してくる。かなり向こう側に黄緑色のラインが入った電車と青色のラインが入った電車が走っている。山手線と京浜東北線だ。車内を見てみるとスーツ姿のサラリーマンがちらほら見える。帝都の朝はこっちも早いようだ。
「ゆうづる号」は定刻で上野駅地上ホームに入った。それを入れ替わるように緑とオレンジのラインが入った通勤電車が出発していく。方向幕はオレンジ色の門司で「宇都宮」と表示されていた。
列車から荷物を提げて降りる。僕らと同じように「ゆうづる」で夜を明かした人たちが次々と上野の雑踏の中へと消えていく。多くの人が厚手のコートを羽織っている。どこから来たのかそれは分からない。だが、個人的に札幌からはるばる東京に来たものだと思う。一度で良いからそういうムーブをしてみたいものだ。
「ナガシィ。これからどうする。今日の17時に東京にいれれば良いけど。」
「そうだな。また時間あるんだよなぁ・・・。」
僕はちょっと考えた。東京で営業している観光地もほとんど10時を過ぎないとな。そこまであと4時間30分。さて、どうしよう・・・。
「京成電鉄で成田空港往復してみるか。」
「はいはい。良いよ。」
すんなり決まった。
京成電鉄に乗ろうと思ったのは京成成田スカイアクセス線を通る「スカイライナー」に乗りたかったためだ。最高速度160キロは私鉄・在来線最速である。それに乗ってみようと思ったのだ。
西大津→枕崎間の乗車券上野駅で途中下車
京成上野→京成電鉄・北総開発成田スカイアクセス線特急「スカイライナー」→成田空港
京成高砂駅から北総開発線内に入り高速運転を開始。新幹線を彷彿とさせるような「スカイライナー」の走りはあっという間に成田空港へと連れて行った。復路では京成本線を経由して、京成上野に戻ってきたものの、スカイアクセスの速さが身にしみたせいでかなり遅く感じた。
成田空港→京成電鉄京成本線特急→京成上野
上野に戻ってきた頃には朝ラッシュが始まっている。東京のありとあらゆる路線は乗客を満員にして都心を目指していく。上野で朝ご飯を済ませ、さて次は何処に行こうか。
一口メモ
京成「スカイライナー」
京成上野~成田空港間を結ぶ特急列車。京成成田スカイアクセス線内では最高時速160km・hで走り、同区間を最速36分で走破する。




