7987T列車 これは電車です。
皇紀2745年6月2日(第101日目) 国鉄大糸線信濃大町駅。
今日は信濃大町からバスで移動することになった。約30分の時間をかけて、扇沢間で登山をする。
「結構人多いかなぁ。」
萌は辺りを見回した。確かに、少し人は多いかな。これも決まった曜日が休みって言うことが無くなったからだろう。だが、観光シーズンとかと比べればまだ少ない方だろう。
僕達は今黒部アルペンルートの長野方終点扇沢に来ている。ここからトロリーバス、徒歩、ロープウェイ、ケーブルカーなどを用いて黒四ダムを介して富山県に抜ける一大観光ルートとなっている。
僕達もここに来るのは初めてなのだが、ダムまで見たら戻ろうかと思っている。本当は室堂とかのほうまで登って戻ってきたいところではあるけど、それはそれで面倒くさい。
「早いところトロリーバスの切符買っとこうよ。でないと置いてかれるぞ。
「置いて枯れるのは簡便だな・・・。」
切符を買って皆が並ぶトロリーバス乗り場に急いだ。
トロリーバスは少し高い位置からぐるりとロータリーを回るようにして入ってくる。1台目が入ってくると2台目、3台目と続いてくる。全部で6台が扇沢に止まった。僕達は4台目のバスに乗り込むことになった。
「ご乗車ありがとうございます。この列車は黑部ダム行き6両編成です。」
ふと僕達には聞き慣れたアナウンスが流れる。トロリーバスって言うのは「見た目はバスだが、営業上は鉄道」として扱われている。まぁ、確かに上から電気を取って決められたところを走るって言うのは鉄道の概念にちゃんと当てはまるからなぁ・・・。
「なんか変な感じね。」
「変すぎるだろ。こいつバスだぞ。」
「パァン。」
とは言っても走り出せばちゃんと電車だ。床下からはちゃんとモーター音が響いてくる。
扇沢→関電トンネル無軌条電車→黒部ダム
扇沢→黒部ダム間の乗車券使用開始
列車は高度を稼いですぐさまトンネルに入る。このトンネルもこれから訪れる黑部ダムへの資材搬入のために使われたトンネルだ。しばらく走ると列車はトンネルの中に停車。反対からやって来る無軌条電車を待つ。
「パァン。」
トンネル内に列車の汽笛が響くとまたバスは歩みを進める。次にトンネルの中が開けるときはこの列車の終点|黑部ダム駅に着くときである。
扇沢→黒部ダム間の乗車券使用終了
一口メモ
関電トンネル無軌条電車
扇沢~黒部ダム間で運行するトロリーバス。トロリーバスは鉄道として扱われるため、運行・営業は全て鉄道事業に準ずる。




