7985T列車 黒姫
皇紀2745年6月1日(第100日目) 国鉄信越本線豊野駅。
長野→信越本線→黒姫
長野→豊野間の乗車券使用開始および使用終了
枕崎→広尾間の最長往復切符復路豊野駅から使用再開
僕達は信越本線の列車に乗り込んだ。ここら辺でよく見る115系のドアを手で開けて乗り込む。この区間を初めて乗ったときは115系のドアが主導だったことには驚いたものだ。あれだけ電車に乗っても手動でドアを開けるという経験はここぐらいしか無かったからなぁ・・・。列車が豊野駅を出ると信越本線は飯山線と分かれた。
ここから信越本線は2回目に山登りにかかる。昔はこの路線が新潟まで抜ける最重要ルートだったとはにわかに信じがたい。
枕崎→広尾間の最澄往復切符復路黒姫駅で途中下車
僕達は黒姫駅で降りた。もとは黒姫って言う名前じゃなかったらしいが、これは黒姫高原の観光開発のためらしい。・・・ヶ、信越本線がどれだけ黒姫高原の観光開発に寄与しているのかは怪しいところだ。
「ここからはバス使うしかないかな。」
「そうだな・・・。」
「私黒姫高原ってどんなところか言ったこと無いんだけど。ナガシィはある。」
「僕もないよ。」
「そうよねぇ。長いこと一緒にいるけど、こんなところで電車降りたこと無いもんね。」
「ここら辺って言っちゃ何だけど、鉄道で来づらいところだからなぁ・・・。」
「だったら車で来ればいいじゃない。」
「移動するときまで疲れたくは無いの。」
「フフ・・・。」
バスに乗って黒姫高原に向かうと信濃富士とも呼ばれる黒姫山が見えてくる。確かに「○○富士」と呼ばれる山の例に漏れず綺麗な山体をもっているとは思う。その山体をバックに綺麗な花畑を想像する。高原にはダリア園やらコスモス園が広がっているらしい。さすがにコスモスはないだろうけど・・・。
「ダリアでも見てく。」
「ナガシィが、お花見るなんて何かの前触れみたい・・・。」
「失礼なこと言ってくれるなぁ・・・。」
「だって間違ってないでしょ。」
「・・・否定はしないけど・・・。何かの前触れじゃないからな。」
「はいはい。分かってますよ。早く行こう。」
萌は僕の手を引いて園のさらに奥へと歩みを進めていった。




