7984T列車 日本土木技術の敗北
皇紀2745年5月31日(第99日目) 国鉄北越線十日町駅。
北越線の直江津方面行きの列車は少し待たなければ来ない。僕達は十日町駅の外でその列車を待った。時間になったのでホームに戻るとE127系が止まっていた。しかし、これは見たことがない番台区分だ。1000番台。現実にあるものと何か違うのかな。
十日町→北越線→頸城大島
十日町→頸城大島間の乗車券使用開始
北越線はトンネルと高架橋で六日町~犀潟間を一直線に結んでいる。これほど直線的なルートを取ったのは技術力の進歩のおかげでもある。また、将来的な北越線の発展のためだ。
列車は長いトンネルを何回か抜ける。途中トンネルの中で2回止まった。その間に特急列車の交換と待ち合わせを行っている。こんな所に信号場を作ると言うだけでもかなりの苦労があっただろう。2回目のトンネル内停車を経験してから僕達は目的の駅である頸城大島駅に着いた。頸城大島でも僕達の乗ってきた普通列車は列車交換のために長く止まった。
十日町→頸城大島間の乗車券使用終了
さて、頸城大島駅は両方をトンネルに挟まれている。この場所は集落からも離れており、当駅を利用する集落の人は極めて少ないことだろう。
「何かあっさり抜けて来ちゃったね。」
「まぁ、鉄道が通ったらこんなもんだって・・・。」
そう言いながら、僕は駅に近い方のトンネルを見た。「鍋立山」とトンネルの壁にさがっている。あれがトンネルの名前のようだ。
「こうしてみたら何の変哲も無いただのトンネルよね。中に信号場があるなんて思えないわ。」
さっきトンネル内で止まったことそんなに珍しいか・・・。いや、珍しいか。
「ナガシィ、ここからどうするの。あっち戻るにも時間結構あるわよ。」
「そうだな・・・。この鍋立山トンネルの雑学でも聞く。」
「雑学ねぇ。私はパス。」
「パスかぁ・・・。結構面白いと思ったんだけど。」
「私はそう言う面白さは求めてなかったり。」
「ふぅん。そうなの。」
「今日はやけに疑り深いわね。」
「意趣返しだよ。」
「そう・・・。」
「・・・。」
「長野の善光寺。前は夜言っただけだったし、昼間にしっかり行ってみない。」
「そうするか。」
頸城大島→北越線→十日町
頸城大島→十日町間の運賃十日町駅で下車時運賃精算の上乗車
十日町→飯山線・信越本線→長野
枕崎→広尾間の最長往復切符復路豊野駅到着に伴い途中下車
豊野→長野間の運賃長野駅で下車時運賃精算の上乗車
一口メモ
E127系1000番台
北越線向けに投入されたE127系。大糸線・信越本線系統で使用するE127系に比べ加減速性能が上がっている。
北越線
上越線六日町~信越本線犀潟間を結ぶ鉄道線。トンネル・高架橋を用いてほぼ一直線で両駅間を結んでいる。途中のトンネル工事が難航したこともあり幹線クラスの輸送人員を誇りながらも地方交通線に指定されている。
北越線鍋立山トンネル
まつだい~頸城大島間にある全長9.1165キロメートルのトンネル。内部には信号場がある。このトンネルは強い地圧によって掘削を阻まれ、それは最新の工法・機材をも跳ね返すほどのものであった。北越線が地方交通線指定され、他よりも割高な運賃を請求する原因でもある。




