7980T列車 工場の町
皇紀2745年5月29日(第98日目) 国鉄羽越本線新津駅。
新津。鉄道ファンにとってここは鉄道製造の街である。ここには大きな車輌製造工場があり、東京首都圏で使われる新型車両が続々と製造され旅立っている。今日はこれから東京に旅立とうとしている車両達を見に来てみたのだが、本当に旅立つかどうかは知らない。そういうところはちゃんと調べてこいよと言われると思うが、調べたら調べたで面白くは無い。
「うん。やっぱりそんな都合よくないよなぁ・・・。」
「・・・。」
やっぱり旅立つ車両はいなかった。
「こういうのは調べてくればいいじゃない。今はスマホで簡単に情報が手に入るんだから。」
萌は呆れながら言う。
「いいじゃん。偶然って言うのが一番面白いんだよ。」
「偶然がねぇ・・・。偶然がこれなら来ない方が良かったんじゃない。」
「うーん、そう言われると反論のしようが無いけど・・・。まぁ、でもここからでも中はちょっとくらい見えるし。」
「写真撮っちゃダメよ。」
「ああ、ダメかな。自分で楽しむ分には撮ってもいいような気がするけど。」
「とりあえず、撮らないでおいたら。この中にいる電車ならすぐに見れるようになるわよ。」
「それもそうか。」
結局何も撮らずに新津駅に戻った。最長往復切符はこれから新潟に行くのに一旦新発田を経由する。ホームには特急も含めて新潟行きが沢山やって来るが、これら全部つかえないのはなんとも馬鹿らしく思えてくる。ちょうど上野からはるばるやって来た特急「いなほ」が新潟に向けて出発していった。
新津→羽越本線→新発田
枕崎→広尾間の最長往復切符復路新津駅から使用再開
新発田→白新線→新潟
枕崎→広尾間の最長往復切符復路新潟駅で途中下車
「さて、これからどうする。お昼にはちょうどいい時間だけど。」
「じゃあ、先にお昼食べよう。それから何処回るか考えとけばいいでしょ。」
「・・・うん。じゃあ何食べる。」
問題はそこだよなぁ・・・。何食べるとか全然決まってないし。とりあえず目に付いたところでよくないと言うと、「吉野家とかになりそう。」呆れながら言われた。そして、そうなったんだけど・・・。
新潟駅から近いところで重要文化財に指定されている萬代橋って言う信濃川に架かる橋がある。そこから歩いて行ける範囲にミュージアムとか色々あるしそっちも見て回ることにした。




