7799T列車 電車3段寝台
皇紀2745年2月18日 国鉄東北本線仙台駅。
瑞鳳殿と仙台城を観光して、仙台駅に戻ってきても時間は18時をまわるくらいだ。
「仙台って近くには観光地って少ないのよねぇ・・・。」
萌はスマホを見ながらそうつぶやいた。確かに。仙台の観光地で調べてみても、少し離れたところが観光地となっているところが多い。そういう場所は2回線台を通るときに訪れることにしよう。
晩ご飯を食べてもまだ列車の時間がある。乗る列車は上野行きの寝台特急「ゆうづる号」である。仙台を24時に出発する列車であるが、その時間まであと5時間・・・。どう時間を潰そうか・・・。
電車の撮影にしてもそれはすぐに終わる。いくら「はつかり」、「やまびこ」、「ひばり」やその他急行列車が来るからとは言ってもそれらを撮影する時間はあっという間に終わる。どうやって時間を潰そうか。腹が減ったと称してもう一度牛タンでも食べようか・・・。そんな話をしていると結構時間って言うのは過ぎるものである。
自分が持っている時計が24時を過ぎようとしている頃、青森側がにわかに明るくなる。寝台特急「ゆうづる号」の入線である。
西大津→枕崎間の乗車券仙台駅から使用再開
仙台→東北本線・常磐線・東北本線寝台特急「ゆうづる」→上野
「ゆうづる」は583系14両編成。常磐線を通り5時30分に終点の上野駅に到着する。
「私、寝台列車乗るの初めてだなぁ・・・。」
萌が言う。いつもなら、僕が「北斗星」に乗ったと自慢げに語ったとき、私も連れてけと言わんばかりに言われる言葉だったが、今日でそれとはおさらばになる・・・かな。
車内に入ると通路を挟んで両側にベッドが並んでいる。本来座席の部分に当たる場所、座席のてっぺんに当たる場所、荷物棚より少し低い場所にそれぞれ寝台がある。そのほとんどはカーテンが閉まり、「ゆうづる号」の利用客の多さを物語っている。そのうち1番下の区画だけカーテンが閉まっていない場所がある。そこが萌の使う寝台だ。僕はそのうえにある中段・・・。上段にしとくべきだったかな。
はしごに足をかけ中断に入る。結構天井が低い。普通に起き上がるだけで頭ぶつけるな・・・。さて、明日も早い。さっさと眠りに就くことにしよう・・・。
下から列車の揺れを感じる。それはいいゆりかごになる・・・。
一口メモ
国鉄583系
国鉄が開発した昼も夜も使える万能特急電車。夜は3段寝台を展開し、寝台特急として、昼は寝台を解体し昼行特急として走る。ただし、583系はいろいろと中途半端になってしまっている(寝台特急としては申し分ない)。
寝台特急「ゆうづる」
上野~青森間を常磐線・東北本線経由で結ぶ特急列車。北海道連絡の一翼を担い、北海道に行く多くの旅客を輸送している。




