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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(復路) 中日本
199/270

7978T列車 日本総加害者社会

皇紀2745年5月28日(第97日目) 国鉄(こくてつ)磐越西線(ばんえつさいせん)会津若松(あいづわかまつ)駅。

 今日の行動は喜多方(きたかた)から北に延びる日中線(にっちゅうせん)に合わせる必要がある。早起きが出来なければ強制的に昼に着くように行かなきゃならない。そして今日は早起きできなかった。昨日一昨日夜を越えた反動がここでやってきたという所だろう。

「ところで、どうする。ナガシィ。」

「どうするもこうするもないだろ。起きられなかったんだし。」

「ハハハ。それもそうか。」

「せっかく時間できたんだし、会津若松(あいづわかまつ)観光してから行こうかな。」

「そうしようか・・・。」

 考えてみれば前来たときは会津若松(あいづわかまつ)の観光をしていなかったな。会津若松(あいづわかまつ)城でも見てから行こうか。と言うわけで僕達はホテルからタクシーを拾って会津若松(あいづわかまつ)城を見に行くことにした。

 会津若松(あいづわかまつ)城は明治への変革期戊辰戦争の激戦地区となった場所だ。会津藩は籠城して新政府軍と戦ったものの、新兵器を投入してくるそちらに防戦をしいられ、なすすべ無く敗れていったというのがこの場所で抱く印象だ。言い過ぎかもしれないけど・・・。

「ナガシィ。白虎隊が自害した山とかは見に行かないの。」

「ここ見てたら時間無いよ。」

「うーん、やっぱり時間無いかぁ・・・。」

「まぁ、それはまたこんどってことで。」

「何か前も同じパターンだったような気がするけどね。」

会津若松(あいづわかまつ)磐越西線(ばんえつさいせん)喜多方(きたかた)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路会津若松(あいづわかまつ)駅から使用再開

 会津若松(あいづわかまつ)駅からは新潟(にいがた)行きの普通列車に乗る。エンジンをブルブル震わせるディーゼルカーの車内にはチラホラ人が座っている。座席を確保するのは案外簡単だ。僕達を乗せた列車が喜多方(きたかた)駅に着くと列車から降りる。そして、これから乗る日中線(にっちゅうせん)の切符を買うために途中下車する。

「相変わらず、日中に乗せる気のないダイヤよね。」

駅に置いてある時刻表を眺めながら、萌がつぶやいた。朝と夕方以外はスカスカで列車も1日に数えられるほどしか運転されていない。この路線米沢までつながるとかいう話だけど、本当にこれでつながるのか・・・。それが心配にもなってくる。

「これじゃあ、どんなに「日中乗ろう」って押してても、日中乗れないじゃん。」

「まぁ、こういう風に宣伝するだけで人が乗りに来てくれると思ってるんじゃないかな。これならまだ美幸線(びこうせん)の方がマシな気がするよ。」

「あっちは市長さんがわざわざ東京(とうきょう)まで行ったんだっけ。」

「うん・・・。」

「JR北海道の時もそうだけど、議員さんって鉄道残して欲しいのに鉄道残そうとする方策は全然採らないよね。」

「そんなの簡単に決まってるよ。鉄道が残ることよりも自分が議員であり続けることの方が大事なんだからさ。それが悪いとは言わないけど。」

ただちゃんと乗らないと残らない。それは市場経済の原理だ。それが分かっていない人間が多すぎるからこそ、不便になったことをJRや議員のせいに出来るんだ。今日本にいる人間は全員インフラへの加害者であるってことよく分かっていない・・・。

「これは僕達も悪いんだけどねぇ・・・。」

「ホントね・・・。」

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路喜多方(きたかた)駅で途中下野


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