7977T列車 奥只見
皇紀2745年5月28日(第96日目) 国鉄只見線小出駅。
長岡→上越線・只見線急行「奥只見」→只見
長岡→小出間の乗車券使用開始および使用終了
枕崎→広尾間の最長往復切符復路小出駅発車に伴い使用再開
キハ58形5両の車内はがらんとしていた。僕達は一つボックスに足を乗せて腰掛けていた。昨日夜を越えたこともありちょうどよく眠ることが出来る。僕達が次に気付いたときには列車は既に只見線に入っており、切符はいつの間にか失効・発効していた。
列車は峠越えに備える駅大白川駅に停車していた。ホームは細長く、人影もない。「誰も来ないかな」と思っていたら、どこからともなく人が現れ、思い思いに腰掛けた。しばらく止まっていると只見方面からキハ40形が入線してきた。
只見線は大白川~只見間で六十里峠を越える。大白川~只見間は六里(24キロ)しか離れていないが、10倍の距離と感じるほど険しい道が続いているらしい。只見線も並行する国道もここをトンネルで貫いているが、ここが今も厳しい道のりであることに変わりは無い。
「お待たせいたしました。急行「奥只見」発車します。」
ドアが閉まってキハ58形はエンジンを噴かした。ここから峠越えにかかる。トンネルと抜けると列車は只見川に沿ってさらに北上する。車窓は少し緑が増えてきているが、茶色が多い。この辺りにはようやっと春が来たらしい。
「ちょっと只見で降りてみない。行きは通り過ぎちゃったしさぁ。」
「降りてみるの。」
「うん。」
「急行券はどうするんだよ。会津若松まで買っちゃってあるぞ。」
「別にいいじゃん。その料金は犠牲になったんだって。」
「・・・はい、はい・・・。」
最初からそうしとけばよかったかもしれんなぁ・・・。僕達は少なからず急行料金を無駄にして降りることにした。降りるときには当然駅員からも声をかけられた・・・。
枕崎→広尾間の最長往復切符復路只見駅で途中下車
只見駅の裏に有るお城の跡。徒歩10分くらいの所にある温泉施設。後は車の移動が主体になってしまう場所かぁ・・・。
「どうする。」
「只見の歴史観って近くにあるよ。行ってみない。」
「・・・温泉はその後かぁ・・・。」
「あっ、温泉入りたいなら先に温泉行ってもいいけど。今ちょっと寒いしね。」
「・・・。じゃあ、温泉行くか。その後軽い運動して只見線に乗ればいいよ。時間は沢山あるし。」
というのでまずは温泉には行ってリフレッシュする。昨日も温泉に入った気がするけど、夜冷え込んで体は相当冷えたので、これはありがたい。
「ふぅ、生き返った。」
「まだ夜は冷えるなぁ。お昼は暑いけど。」
「これじゃあ、どういう格好していいか分かんないわね。この時期ってやっぱ嫌い。」
「過ごしやすいけどねぇ・・・。」
「 只見での観光を済ませて只見駅に戻ったもののうまい時間に列車がない。僕達が駅に着たときにはまだ2時間後の列車まで待つ必要がある。
「このまま行ったら会津若松で止まる必要あるかもね。日中線のこともあるし。」
「じゃあ、もうそれでいいでしょ。あっちはお昼に合わせていかないといけないんだし。」
只見→只見線急行「奥只見」→会津若松
枕崎→広尾間の最長往復切符復路会津若松駅で途中下車




