7975T列車 環状急行
皇紀2745年5月27日(第95日目) 国鉄中央本線上諏訪駅。
上諏訪駅に近くに間欠泉センターってものを見つけた。行ってみようかと思ったものの「間欠泉は時間で決められた時間に出る」という口コミを見てしまうと途端に行く気が失せてしまう。それは間欠泉の紛い物なんじゃないのかとツッコんでいた。
「でも、間欠泉はそういうのでも温泉もあるよ。」
「温泉だったらここのでいいじゃん・・・。」
「ハハハ・・・。諏訪にある温泉が全部源泉同じとは限んないでしょ。」
「減船同じとは限らんくても、そうそう泉質は変わらんって言うの。」
「・・・うーん。そう言われるとそうかな・・・。」
「今日は列車乗るまでこのままゆっくりコースかな・・・。」
「・・・それはそれでいいかなぁ・・・。」
萌は僕に寄りかかってくる。
「んっ。」
「ちょっとは甘えてもいいでしょ。」
「ああ。」
「ナガシィ。もうそろそろ行く。」
「行こうか。」
上諏訪→中央本線・小海線急行「八ヶ岳」→小諸
枕崎→広尾間の最長往復切符復路上諏訪駅から使用再開
上諏訪にキハ58形4両の長野行き急行列車が入る。松本から新宿まで行ける特急「あずさ」とは対照的にこちらは4両繋いでいてもかなりの空席がある。しかし、この急行長野行きだが、長野とは全く別の方向に向かって進んでいる。まぁ、こういうわけの分からない急行列車って言うのはもっと昔にはいっぱいあったんだろうなぁ。
「空いてるね。あすこのボックスにする。」
と萌が言う。
「そこでいいよ。」
僕達は萌の言った座席に座る。上諏訪でもあまり客は乗らなかった。やっぱりこの列車が甲府方面に直通しないのが大きいのだろう。キハ58形は結構なスピードで中央本線を上り、小淵沢駅で小海線に入る。ここで進行方向が変わる。
小淵沢を出発するとこの列車は山を登りにかかる。前を見ると3両のキハ58形が見える。カーブを描いて山を登りにかかる。
「小海線って小淵沢から結構登るんだね。」
そっちばかりに気を取られていたら、いつの間にか小淵沢の街がかなり下に見えるようになっている。考えてみれば、小淵沢から2駅か3駅くらいで日本最高地点に到達するわけだから、当然と言えば当然かと思い直した。