7965T列車 麓の拠点
皇紀2745年5月21日(第89日目) 国鉄御殿場線山北駅。
沼津→御殿場線特急「あさぎり」→山北
御殿場を越えて、山北駅に来る。山北駅に到着する直前にあたりは少し開ける。複線で延びてきた線路もここではかなり土地をもてあましている。新しい建物が建っているその隣に似つかわしくない古い駅がある。ここが山北駅である。
枕崎→広尾間の最長往復切符復路山北駅で途中下車
さて、「あさぎり」から降りてみたものの
「ここってこんなもんなの。」
「山北って何にもないな・・・。」
「一度はどんなところか来てみたかっただけだからなぁ・・・。」
山北駅は東海道本線だった時代の御殿場線において重要な駅の一つだった。御殿場線は鉄道としてはかなりの急坂を持っているため、蒸気機関車で越えるには難所であった。その難所を突破するためにここ山北駅が拠点となっていたのだ。駅の近くにある真新しい建物はここがかつて広い拠点駅であったことを示す名残である。
「何にもないなぁ・・・。」
「駅の反対側に温泉でもありそう。普通列車まで時間あるし、行ってみる。」
「いいよ。」
「じゃあ、そっち行こうか。」
日帰り温泉には行って、リフレッシュしたらまた山北駅から御殿場線で国府津駅絵を目指す。
山北→御殿場線→国府津
枕崎→広尾間の最長往復切符復路山北駅から使用再開
御殿場線の普通列車も乗り慣れた313系電車。2両編成でドアとドアの間に2人がけのロングシートと4人掛けのボックスシートが混在している。ボックスシートには誰も座っていなかった。僕達はここに腰掛ける。
「次は松田。松田です。」
「萌、どうする。松田だけど、降りる。」
と僕は聞いた。
「んっ・・・。松田って何かあったっけ。」
「いや、往路の時に帰りは降りようなって行ってたじゃん。」
という。そういうと「ああ、確かそんなことも言ってたっけ。」と言っていた。だが、あまり降りる気は無さそうだ。
「降りない。」
渡聞くと、
「降りない。何か、色んな所回ってるせいで結構どうでもよくなって来ちゃった。」
「ハハハ・・・。僕も降りなくてもいいかなって思ってた所なんだよねぇ。」
「じゃあ、それでいいんじゃない。松田で降りなかったからって何か罰が当たるわけじゃないし。通過しちゃえ、通過しちゃえ。」
「ハハハ。じゃあそうするか。」
結局降りようと行っていた松田はスルーすることになった。まぁ、仕方ないよね。
国府津駅からは東海道本線に復帰。普通列車を茅ヶ崎まで乗り、茅ヶ崎からは相模線の普通列車に乗り換えて八王子を目指す。八王子に着く頃には辺りはすっかり真っ暗になった。だが、夏至に向かっているのをひしひしと感じる。そんな頃合いになってきた。
国府津→東海道本線→茅ヶ崎
茅ヶ崎→相模線→橋本
橋本→横浜線→八王子
枕崎→広尾間の最長往復切符復路八王子駅で途中下車




