7964T列車 おっさん
皇紀2745年5月21日(第89日目) 国鉄御殿場線沼津駅。
今日はホテルでちょっとユックリしていた。沼津って言う場所は確かに某スクールアイドルアニメで有名なところだが、僕には別の場所である。それは深海生物の博物館がある場所だ。
沼津港の近くには沼津港深海魚水族館がある。
「それにしても深海魚って言うのは変な見た目の奴が多いなぁ。」
「ナガシィ・・・。いつから生き物好きになったの。」
「結構前だよ。知らない。」
「飼うのはダメだけど、見るのはいいのよねぇ・・・。」
ちょうど水槽内のサメのギョロッとした目が僕と会う。でも、彼は僕には興味はないだろう。あのラブカには僕達の知っているサメのような鋭い歯はない。口が半開き状態で泳いでいる姿はどこか間抜けに見える。
さて、他の魚にも目を移そうか。
ここには深海生物としてはおなじみのオウムガイやオンデンザメもいる。だが、僕がここで一番みたい魚は「ブヨブヨの肌」を持っていると紹介されているおっさんだ。もちろん、おっさんって言うのはあくまでそう見えると言うだけであって「ニュウドウカジカ」という名前が付いている。
「これ愛称おっさんって書いてあるけど・・・。何処がおっさん。」
萌はそう聞いてくる。
「んっ、前から見たらおっさんに見えるからだよ。」
と言った。
「前から見たら、おっさんに見えるって。人面魚じゃあるまいし・・・プッ。」
どうやらツボにはまったらしい。
「やっぱおかしい。魚におっさんって渾名付けるってのが。フフフ。こう言うのって大の大人が大真面目に考えたんでしょ。」
大真面目に考えたのかどうかも怪しいけどなぁ・・・。さて、おっさんって魚は萌に笑われても何も感じてないのかヌボーッとしながらゆっくりと泳いでいる。白い体に間抜けな顔が面白い。
ふと萌が僕の肩に手を置いてくる。
「萌、笑いすぎ・・・。」
「だって。ああ。おかしい・・・。」
水族館を一通り見て、この近くでお昼ご飯も済ませる。港の近くと言うこともあり、回転寿司であってもとっても美味しいものだ。
お昼を済ませてから、沼津駅に戻った。沼津からは御殿場線に乗って国府津方面へと抜ける。待っているのは小田急電鉄特急ロマンスカー「RSE」が止まっていた
沼津→御殿場線特急「あさぎり」→山北
枕崎→広尾間の最長往復切符復路沼津駅から使用再開
一口メモ
小田急電鉄20000形
小田急電鉄と国鉄の間を行き来する特急「あさぎり」専用のロマンスカー。RSEの愛称を持つ。