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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(復路) 首都圏
179/270

7958T列車 TSH

皇紀2745年5月18日(第86日目) 国鉄(こくてつ)東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)東京(とうきょう)駅。

 東京(とうきょう)駅には何度か来たことがある。だが、東京(とうきょう)駅に泊まったことはない。今日はこの東京(とうきょう)駅丸の内駅舎のホテル東京(とうきょう)ステーションホテルに泊まる。

「これ、僕達泊まってよかったかな・・・。」

フロントからその雰囲気が漂っている。僕はどこか「北斗星」の食堂車を前にしたときと同じ感覚に駆られていた。本当にここに入っていいのだろうか。そう自分に問いかけたくなる。

「グズグズしてたらいつまで経っても入れないから。ほら、入ろ。」

 萌が僕の手を引いてフロントに行く。「予約してた永島ですが。」と声をかけると「お待ちしておりました」と深々とお辞儀をしてくれる。そこまでされるとこっちが申し訳なく思えてくるなぁ。今ここに来て自分の服装が気になるところだ。

 チェックインが終わるとホテルマンが僕達の荷物を持ってくれた。なんとフロントから部屋まで案内してくれるというのだ。至れり尽くせりなホテルだ・・・。

 ホテルマンはホテル内の開設をしながら、僕達を部屋まで連れて行ってくれる。途中、東京(とうきょう)駅の昔の写真や通路から東京(とうきょう)駅が一望できたことなどを解説してくれた。

「何か凄いところ来ちゃったねぇ。」

「ホントだな。丁寧なのはいいけど、こっちが疲れるなぁ・・・。」

「フフ、ホント。やっぱ私達には身の丈に合ったビジネスホテルがいいのかなぁ。」

「ハハハ。違いない。」

それにしても天井が高い。それに何処を見渡しても綺麗だ。手入れがちゃんと行き届いている。掃除するのも大変だよなぁ・・・。

「ナガシィ。私達もったいない事しちゃったかなぁ。」

「そうかぁ・・・。」

「こんなホテル滅多に止まれないよ。ナガシィもそう思うでしょ。ここ1日で出ちゃうなんて、ホントもったいないよ。」

「じゃあ、どうしろと。次は決まってるんだよ。」

「うぅう。」

頬をちょっと膨らませて見せてくる。可愛いのだが、

「次の手配やってくれるなら、いいよ。」

「・・・。」

萌は少し考えてから、

「じゃあ、いいわ。」

と言って布団に突っ伏した。

「あっ、布団も柔らかい・・・。今すぐにでも寝れちゃいそう。」

「ほう・・・。」

「ナガシィここ来る。」

僕は無言のまま萌のいる布団に腰掛けた。確かに柔らかい。

「これいいなぁ。」

「でしょ。今日は一緒に寝る。ナガシィ。」

「・・・今日もだろ・・・。」


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