7957T列車 東京市場
皇紀2745年5月18日(第86日目) 国鉄東海道本線東京駅。
さて、今日は東京駅で最長往復切符の利用は終了する。だが、このまま東京にとどまっていても仕方がない。と言うわけで僕達は少し寄り道をすることにした。横須賀線の列車を降り、地下ホームから地上ホームへと歩く。山手線・京浜東北線のホームに上り一番早く来た電車に乗り込んだ。
東京→東海道本線(山手線)→浜松町
東京→浜松町間の運賃浜松町駅で下車時運賃精算の上乗車
浜松町→都営地下鉄大江戸線→築地市場
浜松町→築地市場間の乗車券使用開始および使用終了
築地市場駅で降りて市場の方向に歩いて行くと右側を見るとちょうどあるものが目に入った。
「あんな所に冷蔵車が止まってるな。」
僕がそれに吊られるのを見て、萌も付いてくる。
「どうしたの。」
「ほら、あれ。」
「貨車・・・。」
「うん、なんて言うのか知らないけどさ。」
まぁ、こういう所にやってきて冷蔵車と考えると僕には1形式しか思い当たらない。近づいて車両形式を確認してみると「レサ100-20」と書いてあった。レサ100形って言うのは聞いたことがないなぁ・・・。まぁいいか。
築地市場の方向を見てみるとまっすぐに線路が続いている。
知っている人もいるが、築地市場は鉄道駅「東京市場駅」である。築地の弧を描いた形状は長い貨物列車を収容するために練られた苦肉の策ともいえる。だが、鉄道駅として出来上がった築地は今や手狭になりつつある。これはいつかパンクしてもおかしくは無いのだろう。
市場内を少し歩いて回るとその綻びが所々に見え隠れする。足の置き場は通路ぐらい。それ以外の場所には所狭しと商品が並んでいる。何も調理していないにもかかわらず、どれも美味しそうに見えるのはなんとも悩ましい。
「何か思ってた所と違うような。」
「市場ってこんなもんじゃなくて。」
「ほら、何円、何円ってやってるじゃない。」
「ああ、競りか・・・。もうこんな時間じゃやってないだろ。ああいうのは朝早い時間帯なんじゃない。」
とは言ったが、僕もどんな時間に競りが行われているのか知らない。完全に偏見で語ってしまった。
「この近くのお店でお魚食べてく。」
「そうするかぁ・・・。」
僕達は築地の熱気に押し出されるように市場を後にするしかなかった。
一口メモ
国鉄東海道本線貨物支線東京市場駅
築地市場。
国鉄レサ100形冷蔵車
鮮魚特急用に開発された高速貨物向け冷蔵車。コンテナ貨物列車が台頭してきた今、数は少なくなっているもののコンテナ以上の積載能力を持っているため、一大消費地である東京行きなどの列車に主に充当される。