7946T列車 秘湯滑川
皇紀2745年5月13日(第81日目) 国鉄奥羽本線峠駅。
「うーん。美味しそうなにおい。」
「もうちょっと待っててね。」
「はーい。」
滑川温泉は時代に取り残されたような場所だ。今萌が使っているガスも「瓦斯」と漢字で書かれた機械からでている。これはお金を投入することでつかえるようになる。こんなガスボンベっていいのかも分からないもの初めてみたよ・・・。
しばらく自分の部屋で待っていたら、萌が料理を運んできた。
「お待たせ。」
「ああ、お腹すいた。」
「待ったかいあったわね。フフ。」
「ハハハ。」
やっぱり、萌の手料理は美味しい。
「ごちそうさまでした。」
「どうだった・・・ってまぁ聞くまでもないか。」
察しがいいのは助かる。
「・・・。」
「どうかした、萌。」
「ええ。だって。ナガシィが楽しみにしてるのはこの後でしょ。いやぁ、自分の裸を見られるって言うのはいつになっても慣れないなぁと思って。」
「・・・別に見せたくなきゃいいんだけど。」
「ふぅん。でも見たいでしょ。」
「うん。」
「欲望に忠実で何よりね・・・。最近はずっと旅行でご無沙汰だもんねぇ・・・。」
「何だよ。したくないならそれでいいんだけど。」
「・・・私もその気なんだけど。」
「どっちだよ。」
「ゴメンね。分かりづらくて・・・フフ。ああ、でも混浴ってことは他の人たちも来るかぁ・・・。」
「・・・貸し切り風呂あるけど、貸し切る。」
「やっぱこういう秘湯はあるか・・・。じゃあ貸し切っちゃお。何分何円とかあるの。」
「50分500円だって。書いてあった。」
「安・・・。それでいいのかな。」
「いいんだろ。・・・入ろうか。」
「お待たせはこっちだったかな。」
「どっちも。」
「フフフ。今日は満足しそうですか。」
「かな。でも、まずはお風呂入ってこよう。」
「その前に貸し切らないとね。」
「あっ、忘れちゃ萌が困るよね。」
「フフ。よろしく。」