7940T列車 根性、根性、ど根性
皇紀2745年5月9日(第77日目) 国鉄田沢湖線田沢湖駅。
田沢湖線はこの駅から峠越えにかかる。この区間の時刻表を見ると黒文字表記の普通列車よりも赤文字表記の特急列車の方が多い。特急は1時間に1本ペースでほぼ規則正しく出発しているのに対し、普通列車は朝方と夕方に設定されて昼間は3時間に1本来れば良い方だ。
大曲方面から485系が6両編成で入ってきた国鉄色を纏ったものを見るのはまた久々な気がする。
田沢湖→田沢湖線特急「こまち」→盛岡
枕崎→広尾間の最長往復切符復路田沢湖駅から使用再開
列車は仙岩峠を越えて、雫石くらいに至ると列車はスピードを上げて盛岡駅へと入った。盛岡駅では連結を行うという。僕達の乗る「こまち」はドアが開くまでに3回止まった。列車から降りるとかなり長い編成を組んだ特急列車が止まっている。その列車も2分と立たないうちに出発していった。
枕崎→広尾間の最長往復切符復路盛岡駅で途中下車
ここで改札口をでて、盛岡の街を少し見て回ることにした。向こうでやった最長往復切符でも、こっちでも盛岡は素通りかただホテルに泊まるだけに利用していて、盛岡の街をまともに観光するのは初めてである。
盛岡もバスが発達しているため僕達はバスに乗った。10分くらいでいける石割桜でも見に行ってみよう。
「・・・。」
「本当に石の隙間から生えてるわね。」
桜は花よりも葉っぱが目立ち始めている。両方の大きな石を押しのけたように生えている桜は開花宣言をする木にもなっているらしい。
「ど根性大根と同じ類いだよなぁ・・・。頑張らなくてもいいところ頑張っちゃったって感じの。」
「そうねぇ。そんな感じよねぇ・・・。」
これってどっちの石も何トンクラスの重さがあるよなぁ・・・。それを押しのけれるんだから、自然の力強さってやっぱり凄い。
「この後はどうする。近くに啄木新婚宅って言うのもあるらしいけど。」
「他人が新婚の時暮らしてた家屋見て楽しい。」
「いや、楽しいとかじゃなくて。思いをはせてみるってこと。」
そう行ってから萌は僕によってきて、耳元で
「付いてきてくれないと滑川温泉よらないよ。」
と言った。あっ、行くしかないな・・・。
啄木が新婚時に住んでいたとされる邸宅を見て回ってから、盛岡駅に戻る。駅弁を買い、山田線の列車に乗った。宮古行きの急行「三陸」と岩泉行きの急行「龍泉」が止まっている。僕達が乗るのは岩泉行きだ。
盛岡→山田線・岩泉線急行「龍泉」→岩泉
枕崎→広尾間の最長往復切符復路盛岡駅から使用再開
「龍泉」に乗っていると外はだんだんと暗くなっていった。辺りに人間の営みは感じられない。ただ山の中だ。山を抜けて陸中川井に止まってから、茂市に停車。「龍泉」と「三陸」はここで分かれる。今日の最長往復切符の使用はここまでだ。
「ナガシィ。「三陸」がでたらこっちもすぐでるって。戻っといたら。」
「大丈夫。すぐそこだし。」
「それフラグ・・・。」
機敏な作業できは58形の連結を時、「三陸」はさっさと暗闇の中へ消えていった。僕達は「三陸」を見送ったらすぐに「龍泉」に乗り込む。それを待っていたかのようにドアが閉まり、「龍泉」は茂市を発った。茂市から岩泉まで、今まで進んでいた方向とは逆向きに走り出すのだ。
枕崎→広尾間の最長往復切符復路茂市駅到着に伴い途中下車
茂市→岩泉間の運賃岩泉駅で下車時運賃精算の上乗車
一口メモ
急行「龍泉」
盛岡→岩泉間で運行する急行列車。