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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(復路) 東北
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7939T列車 高天原のアンチテーゼ

皇紀2745年5月9日(第77日目) 国鉄(こくてつ)奥羽本線(おううほんせん)横手(よこて)駅。

 横手(よこて)駅のホームには長い特急列車が入った。白ベースに紫色と黄色が配色された485系3000番台だ。あの列車は特急「つばさ」上野(うえの)行き。こんな場所から上野(うえの)まで行く列車があるのは驚きだ。在来線だからなぁ・・・。

 商店で横手(よこて)やきそばを階、ホームで食べてから列車に乗り込んだ。今日はこれが朝ご飯だ。

横手(よこて)奥羽本線(おううほんせん)大曲(おおまがり)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路横手(よこて)駅から使用再開

 大曲(おおまがり)からは田沢湖線(たざわこせん)の列車に乗り換える。田沢湖線(たざわこせん)盛岡(もりおか)へ普通列車で抜けるのはかなり困難な路線だ。ほとんどは上野(うえの)方面へ直通する特急列車「こまち」である。これをいかに活用するかが田沢湖線(たざわこせん)を抜ける鍵になる。そして、次に田沢湖線(たざわこせん)に入る列車は早速特急だ。その内秋田(あきた)方面から5両編成の483系3000番台がゆっくりと大曲(おおまがり)のホームに入ってきた。前面のピンク色が鮮やかである。

大曲(おおまがり)田沢湖線(たざわこせん)特急「こまち」→角館(かくのだて)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路角館(かくのだて)駅で途中下車

 角館(かくのだて)で初めて降りる。1キロくらい歩いた先に武家屋敷があるらしい。マップの評判を見てみると桜も綺麗らしい。だが、桜はほぼほぼ終わった後だった。5月も上旬が終わろうとしている頃だし、仕方ないか。

角館(かくのだて)田沢湖線(たざわこせん)田沢湖(たざわこ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路田沢湖(たざわこ)駅で途中下車

 田沢湖(たざわこ)駅からバスで田沢湖(たざわこ)の湖畔に向かう。それは遊覧船に乗るためだ。

田沢湖(たざわこ)っていつも聞くけど、こういう風に来たのは初めてよねぇ。」

「そうだな・・・。いっつも通り過ぎちゃうからなぁ。」

「東北っていつも通り抜けるだけよねぇ、こういう時でもない限り。」

「ところで遊覧船のチケットって何処で買えるんだ。」

田沢湖(たざわこ)畔のバス停の近くをぐるりと見る。遊覧船乗り場を見てもそれらしい場所がない。何処で売ってるのかと途方に暮れかけたとき、乗り場とは反対側のレストハウスで売っていることを突き止めた。

 水上バスみたいな遊覧船にのって田沢湖(たざわこ)を走る。綺麗な青が僕達の心を捉える。

「綺麗な色・・・。」

「ああ。」

これでも一時期は酸性化が深刻になったこともあるらしい。自然って言うのはほんの少しのバランスの崩壊ですぐに表情を変えてしまう。それがよく分かる湖でもあろう。

 船に乗った桟橋から船で反対側まで来ると金色の像が見えてくるようになる。案内をする乗組員があの像の開設として田沢湖(たざわこ)に伝わる伝説を教えてくれる。簡単に言うとこの近くに住んでいたあの増のモデルとなった娘がやがて無くなる自身の美貌を永遠のものとするために願掛けをしたものの、そんな願いは叶うことなく竜に姿を変えるというものだ。

「これってこういう体のアンチテーゼかな。」

萌が隣でそうつぶやく。確かに、こっちに来て以来僕達の体を衰えってものを知らなくなっただろう。晩年は向こうで苦労していたのが嘘のようだからなぁ・・・。

「これって僕らの存在が魂だけだからだろ。肉体を持った上で永遠の美貌なんて考えるなって意味じゃない。」

「そういうことかな。」

「そういうことだろ。」

そういうことにしておいて、うん。


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