7936T列車 神道
皇紀2745年5月7日(第75日目) 国鉄羽越本線酒田駅。
山形県酒田市。偏見だけで言わせてもらえれば、酒田は日本海側でかなり大きな街だと思っている。ただ、何があるのかと言うところを知らない。僕ってそう言う待ち多いよなぁ。駅の近くで手頃に済ませられそうな観光地を歩いて探し求める。
「酒田って、結構古い町並みが残ってるよねぇ。」
「大きい街でこういうのが残ってるって京都ぐらいしかないもんなぁ・・・。」
それは僕が知らないだけかもしれないが・・・。
酒田→羽越本線→鶴岡
枕崎→広尾間の最長往復切符復路鶴岡駅で途中下車
鶴岡からはバスを使って羽黒山神社に行くことにした。鶴岡の駅前からはバスで約1時間ほどだ。多数の観光客に混じって参道を歩く。ゴールデンウィークも過ぎたって言うのに結構な人数歩いてるなぁ・・・。それだけ羽黒山神社が神聖な場所という解釈でいいだろうが・・・。
しばらく歩いて行くと五重塔が姿を現した。観光客はそこで足を止めて、五重塔を写真に収めている。
「これが神社にある五重塔。」
「五重塔って色んな所にあるよなぁ。神社にあるってそんなに珍しいもんか。」
と鳥峨家が言うと、
「五重塔はお寺の建物よ。ほら法隆寺の五重塔だってお寺にあるでしょ。」
と梓が間髪いれずに解説を入れる。
「五重塔ってお寺の建物なの・・・。」
「そうよ。ここって羽黒山神社って言うでしょ。本当は神社に五重塔はないのよ。」
「じゃあ、何でこれはあるんだよ。」
「廃仏毀釈って言う明治の頃にやった政策でね。国家規模で神道に切り替えるからお寺廃止しますって言ってた時期があったの。」
「無茶苦茶なこと言ってるなぁ。」
「まぁね。」
「それで、ここは元々お寺だったって湖とは廃仏毀釈だかなんかで「お寺から信者になります」って言ったりしたのか。」
鳥峨家が笑い混じりに言うと「まぁ、それに近いことは言ったんでしょうね。」と梓は言った。
「マジかよ。」
「マジよ。」
「・・・梓ちゃんも改宗してみない。」
「改宗って何によ。」
「萌も改宗してみる。」
「改宗ってそんな気分でするようなものじゃ無いと思うけど。まっ、聞くだけ聞いてあげるわよ。まぁ、どうせナガシィのことだし、鉄道教なんでしょうけど。」
改宗さえしてねぇよ・・・。
参拝を済まして、鶴岡駅に戻る。そこからは特急「いなほ」に乗って、僕達は村上駅で降りた。鳥峨家と梓は新潟まで行ってそこから「つるぎ」に乗るらしい。僕らは村上で別れることになった。
「大希達いいよなぁ。何にも寄り道せずに京都いけるんだし。」
「何。ナガシィ。この旅飽きた。」
「いや、飽きては無いけど・・・。そろそろ寄り道したくなくなってきたかなぁって言うか。」
「・・・私がいるし、退屈はさせないからね。」
「・・・。」
「何。」
「ああ、そう言われると何か卑猥に取れるって考えると僕も心が汚れてるのかなぁと・・・。」
「フフフ。」
鶴岡→羽越本線特急「いなほ」→村上
村上→羽越本線→坂町
坂町→米坂線→小国
枕崎→広尾間の最長往復切符復路小国駅で途中下車