7933T列車 犬そこ変われ
皇紀2745年5月6日(第74日目) 国鉄奥羽本線大館駅。
「へぇ、可愛い。」
そういう梓に白の秋田犬がよってくる。梓の手を辺りで鼻をひくひくさせる。いいにおいでもするのかな。
「あんの犬っころ・・・。場所変われっての・・・。」
「・・・。」
場所変われってなぁ・・・。
「絶対梓ちゃんのパンツ見れるじゃないか。」
あっ、目的はそっちか・・・。だが、そうはならない。なぜなら今梓がはいているのはズボンだからだ。どうあがいたって見えないんだけどなぁ。それを忘れているわけじゃ無いと思うけど。
「どうしたの。大希。まさか犬にやきもち焼いてるわけじゃないよね。」
「・・・はっ、犬に焼くわけけねぇだろ。」
あっ、そういうことか。真の目的はこっちだったのね。
「ナガシィ、おいで。犬可愛いよ。」
「・・・。」
萌の隣に行くとさっきの犬がよってきた。こっちに来るなと防衛体制を張ると犬はさっさと萌の方に行った。こうやって人に近いところにいるからこそ、人の気持ちでも分かるんだろうか。にわかに信じがたい。
「この子ナガシィにはよらないねぇ・・・。嫌われてる。」
「僕が嫌ってるの間違いよ。」
「・・・フフフ。こんなに可愛いのに。」
「可愛いと触れるは違うの。犬は動物なんだし、人とは違うんだって。」
「ふぅん。・・・で、この後どうする。」
ああ、それはあの二人と話して決めればいいでしょ。
大館→奥羽本線→弘前
枕崎→広尾間の最長往復切符復路大館駅から使用再開
枕崎→広尾間の最長往復切符復路弘前駅で途中下車
大館を後にしてから、普通列車で弘前に向かう。弘前では弘前城近辺の桜を見に行った。ゴールデンウィークを過ぎた辺りなので桜は葉桜になり始めている木もあった。もう少し来る時期が早ければ桜の最も美しい時期だったであろう。しかし、これは自然相手なので仕方ない。
「早いところ、弘前駅に戻る。」
「うん。次も乗り逃せないしねぇ。」




