7932T列車 合流
皇紀2745年5月6日(第74日目) 国鉄東北本線盛岡駅。
盛岡駅は早朝から特急列車が発着する。青森方面は青森行きの寝台特急「はくつる」、「ゆうづる」が。仙台方面は上野行きの特急「やまびこ」が電光掲示板にでている。昨日ホテルに少し早めに入って寝たけど、僕達は大きな欠伸を下。お互いそれを見て笑ってしまう。
「梓達ちゃんと起きれるかな。」
「そこは大丈夫だろ・・・。」
あんまり他人の心配をしていない。まぁ、それは僕の常識を他人に当てはめているに過ぎないが・・・。
少しずつ明るくなっている盛岡駅に3灯ライトの電車が入線する。ホームにいると少しばかり見上げるほどの大きさを持つ寝台電車583系だ。列車が完全に止まると折り戸が開いた。ゾロゾロと大きい荷物を提げて乗客が降りる。その最後くらいに鳥峨家と梓が降りてきた。
「おはよう。」
「ゴメンね。こんな早く来ちゃって。」
「大丈夫、大丈夫。私達はどっちも朝に強いから。」
「ああ、それは羨ましいなぁ・・・。」
萌と梓はそう言いあった。
「悪いね。嫁が旅行行きたいって聞かなくてさぁ。」
と鳥峨家が言う。
「別に迷惑とは思ってないし。」
と受け流しておく。
「まぁ、俺たちが迷惑かけたら、全部嫁の責任なんで。嫁の体で責任とらせてもいいからな。」
「やめろ・・・。」
さすがに他人のを取るわけには行かない。ていうか、梓が聞いてたら殴られるぞ。きっと。
まだ朝早いが、駅弁屋は既に開いている。特急「やまびこ」が今か今かと出発を待っている間に、それの乗客は皆駅弁売りに殺到している。この時間から特急に乗って長距離を移動する人たちにとっては必需品であろう。それを買わずに乗り込んでいく人はなんだろう・・・。
僕達も駅弁を買って、花輪線の列車に乗り込んだ。
盛岡→東北本線・花輪線急行「よねしろ」→大館
盛岡→好摩間の乗車券使用開始および使用終了
枕崎→広尾間の最長往復切符復路好摩駅から使用再開
盛岡から花輪線に直通する急行列車に乗る。駅弁を車内で食べててからは、どちらも朝早くから行動していたこともあり、「よねしろ」の中ではぐっすり眠っていた。目が覚めた頃には列車は覆う本線を越えて、大館に到着しようとしているときだった。
枕崎→広尾間の最長往復切符復路大館駅で途中下車
「さて、大館に来たことだし。」
「梓何処行く。」
「うーん。せっかく大館に来たんだし、秋田犬とか見ていきたいよねぇ。」
「ナガシィ、ちょうどいいところ連れてってあげよう。」
「・・・はいはい。」