7931T列車 思い出の地
皇紀2745年5月5日(第73日目) 国鉄東北本線浅虫温泉駅。
浅虫温泉で降りた理由はたいしたことじゃない。「北斗星」に乗った時父親が覚えていた駅が浅虫温泉なだけである。それからというもの僕は浅虫温泉がどんな場所が気になっていた。だから、今回降りたに過ぎない。だが、ただ降りただけでは済ましたくは無い。
駅前近くには道の駅がある。そこの5階には展望浴場があり朝7時から営業しているらしい。青函連絡船で寝ているとはいえ4時間程度。体のリフレッシュにはもってこいだった。
温泉には行ったら15分ほど歩いて、浅虫水族館に行く。ちょっと魚を見て癒やされよう。
浅虫温泉→東北本線→野辺地
枕崎→広尾間の最長往復切符復路野辺地駅で途中下車
東北本線の普通列車に乗って次は野辺地駅で下車。野辺地では七戸方面に向かって鉄道が延びている。ちょうど東北本線のホームからオレンジ色の小さい鉄道車両を見ることが出来た。
「フフ。こんなに小さくて可愛い。」
萌は電車の輪郭をなぞるように止まっている車両をなでた。車両の大きさは足も曲げずに乗ったらつかえそうと思うくらいだ。こういう小さい車両はレールバスと言われ、元々利用者が少ない路線で活躍している。
「ナガシィ。これ乗れる時間あるの。」
「今日の内に盛岡まで行っとけば問題ないし。大丈夫だよ。」
「やったー。ねぇねぇ。早く。」
「・・・。」
レールバスにそこまで喜ぶ女は萌しかいないって・・・。まぁ、いいか。
野辺地→南部縦貫鉄道→七戸
野辺地→七戸間の乗車券野辺地駅から使用開始
小さい割に力強い滑り出しだ。
「あっ。」
「小さくても中身はディーゼルカーなんだね。」
「色々と忘れそうだな・・・。」
「フフフ・・・。」
下からガタン、ゴトンと音がしている以外はまさしくバスだな。しかし、さっきから下から伝わってくる揺れが上手い具合に眠りを誘う。その内目を開けていることそのものが厳しくなってきた。ふと肩に重みを感じるようになると萌は寝落ちしていた。それを見るとこっちも安心して寝れる。
気付いたときには終点の七戸に着いていた。
野辺地→七戸間の乗車券七戸駅到着に伴い使用終了
「案外早かったねぇ。」
「寝てたからだろ。萌途中から眠ってたぞ。」
「えっ、そう・・・うーん、考えてみれば途中から記憶が無いような。」
「・・・これからどうする。このまま戻った方が無難だけど。」
「じゃあ、戻ろうよ。早くね。」
「・・・はいはい。」
七戸→南部縦貫鉄道→野辺地
七戸→野辺地間の乗車券使用開始および使用終了
野辺地→東北本線→八戸
枕崎→広尾間の最長往復切符復路野辺地駅から使用再開
八戸→東北本線特急「はつかり」→盛岡
枕崎→広尾間の最長往復切符復路好摩駅通過に伴い途中下車
好摩→盛岡間の運賃盛岡駅下車時運賃精算の上乗車
今日は、明日に備えて早く寝よう。今日はぐっすり眠れそうだ。




