7919T列車 国鉄カブレ
皇紀2745年4月29日(第67日目) 国鉄宗谷本線美深駅。
美深に戻ったらようやっと朝ご飯にありつける。近くのセイコーマートで食料を調達して駅に戻る。朝ご飯は宗谷本線の普通列車の中で取る。でも、やっぱり駅弁。お腹を満たすには少ない・・・。
美深→宗谷本線→音威子府
枕崎→広尾間の最長往復切符復路美深駅より使用再開
音威子府駅まで来たら、駅舎に併設しているそば屋さんに行く。蕎麦だけ買って、ホームに戻り、天北線の列車を待つ。さっき降りた宗谷本線の普通列車はホームにのんびりと体を休めていた。
音威子府→天北線→浜頓別
天北線は音威子府からオホーツク海側へと舵を切る。峠道を上って小頓別に停車。頓別の中心地となる浜頓別はここ小頓別から45キロくらい先である。こんな所からもう「頓別」が始まるとは・・・。北海道のスケールの大きさを思い知らされる。
枕崎→広尾間の最長往復切符復路浜頓別駅で途中下車
列車が浜頓別に着いたところで僕達は列車を降りた。浜頓別からは天北線から分岐する興浜北線がある。あれはオホーツク海沿いを南下し、北見枝幸まで延びている。ちょっとの時間つぶしをかねて、興浜北線を往復する。オホーツク海に張り付くように走っており、どことなく羽幌線っぽい雰囲気というのが印象だった。
浜頓別→興浜北線→北見枝幸
浜頓別→北見枝幸間の乗車券往路使用開始および使用終了
北見枝幸→興浜北線→浜頓別
浜頓別→北見枝幸間の乗車券復路使用開始および使用終了
それでも次に乗る稚内行きの列車までは時間があった。浜頓別の近くにはラムサール条約にも指定されているクッチャロ湖がある。クッチャロ湖観光でもして戻ってこようか。それをやっても時間がある。
(どれだけ時間あるんだよ・・・。)
夕方近くまで浜頓別で過ごし、駅弁を買って急行列車に乗り込んだ。浜頓別に入ってきた急行はDD51形が青い客車を従える「天北」稚内行きだ。客車は寝台客車込みの編成。僕達は寝台客車に入った。
僕達は自分たちの区画の寝台をのぞき込んだ。すると乗客が一人いびきをかいて眠っていた。
「・・・。」
「自由席行こう。」
萌が行った。確かに、このいびきをかいて寝ている人間をたたき起こして「ここ自分の席なんですが」と言う気は起きなかった。
浜頓別→天北線・宗谷本線急行「天北」→稚内
枕崎→広尾間の最長往復切符復路浜頓別駅から使用再開
「「天北」乗ってみたけど、普通の急行よねぇ・・・。」
萌が言う。
「それ言ったら色々とおしまいだよ・・・。まぁ、普通の客車急行って言うのは認めるけど・・・。」
「何か、私って変に昔のものに期待しすぎてたのかなぁ・・・。」
萌はそう言って外をぼんやりと眺めた。だんだんと外は暗くなり始めている。天北線の沿線にも大自然の闇が迫っている。
それは僕にも言える・・・。僕はただの客車列車に一体何を期待していたと言うんだろう。懐かしい列車に何度も乗った僕には珍しささえ感じなくなっていった。
街明かりが近づいてきた。あの場所は日本最北端の市。稚内だ。
枕崎→広尾間の最長往復切符復路南稚内駅到着に伴い使用終了
南稚内→稚内間の運賃稚内駅下車時精算の上乗車