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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(復路) 北海道
132/270

7911T列車 陸別スターウォッチング

皇紀2745年4月25日(第63日目) 国鉄(こくてつ)池北線(ちほくせん)陸別(りくべつ)駅。

北見(きたみ)池北線(ちほくせん)陸別(りくべつ)

 木々の合間を通り抜ける。池北線(ちほくせん)の列車はゆっくりと峠越えをしながら日本一寒い街陸別(りくべつ)へと足を踏み入れる。ここ陸別(りくべつ)は辺りを山に囲まれており、夏は暑く(30度)・冬は寒い(-30度)。その気温差は実に60度にも達する。

陸別(りくべつ)って日本一寒い所って有名だけど。」

「うん。」

「僕はどっちかって言うと幌加内(ほろかない)の方がそういう場所だと思うから、陸別(りくべつ)が日本一寒いっていわれてもピンとこないんだよねぇ。」

と萌に言ったが、萌からは「だから。」と言われてしまった。個人的な感覚は通じなかったかぁ・・・。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路陸別(りくべつ)駅で途中下車

 駅舎を通り抜けて、駅前ロータリーに出る。その脇にポツンと石碑が建っていた。それには聞き慣れない「網走本線(あばしりほんせん)」と書かれていた。

網走本線(あばしりほんせん)って。」

と萌が聞いたので、「元々札幌(さっぽろ)から網走(あばしり)に行くには池北線(ちほくせん)経由だったんだよ」と説明した。まぁ、Wikipediaの受け売りなんだが。

 僕達はタクシーを拾って10分くらいで着く銀河の森天文台に行ってみた。北海道は大半が原野だからこういう天体観測に向いているのだろう。確かに、この近くにある陸別(りくべつ)町が天体観測に影響があるほどの光を発するとは思わないからなぁ・・・。

 沢山の天体写真が展示してある。火星、木星、土星などは一目でそれだと分かるが冥王星にもなると最早どれがそれなのか分からない。ちゃんと矢印で「これ」としている辺りに良心を感じる。

「冥王星・・・。点じゃない。」

「そりゃ、月よりも小さい天体だからなぁ・・・。」

「冥王星ってそんなに小さいんだ。・・・冥王星って惑星じゃなくなったのって。」

「2006年くらい。」

西暦ね。

「発見されたのは。」

「1900年代くらいだったかな・・・。」

正確には1930年アメリカ人クライド・トンボーによって発見されている。

「じゃあ、今から換算したら200年くらい前。そんな前にあんな点発見してるって凄くない。」

「凄いというか・・・。何度も同じ場所の写真撮って動いてる点を探す方法だから。別に望遠鏡で直接見たわけじゃないよ。」

「えっ。惑星って全部望遠鏡で直接見つけてるんじゃないの。」

「望遠鏡で直接見るのは場所が分かってからだよ。場所が分からないのに藁の山の中にある針を見つける馬鹿いる。」

「さすがにそこまで馬鹿じゃないのね。」

逆に、そこに根気を使っていたら今日の宇宙研究は確実に一周以上の遅れを食ってるよなぁ・・・。それか技術がその壁をぶち壊すか・・・。どうだろう。

「ナガシィ、本当は天体望遠鏡見たいんじゃない。」

「天体望遠鏡よりも天体が見たい。」

「今日は見れないよねぇ。曇りだし。」

「そうだな。まぁ、地球上にあったら仕方ないよなぁ。」

天気は仕方がない。僕達は陸別(りくべつ)駅に戻って池北線(ちほくせん)の列車に乗る。このまま池田(いけだ)駅まで行って、池田(いけだ)から根室本線(ねむろほんせん)の特急「おおぞら」に乗って白糠(しらぬか)駅で下車した。白糠(しらぬか)に着く頃には辺りが真っ暗になっていた。雲が覆っていなければ陸別(りくべつ)の空には綺麗な星が広がっていることだろう・・・。

陸別(りくべつ)池北線(ちほくせん)池田(いけだ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路陸別(りくべつ)駅から使用再開

池田(いけだ)根室本線(ねむろほんせん)特急「おおぞら」→白糠(しらぬか)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路白糠(しらぬか)駅で途中下車


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