7909T列車 最寄りの秘境駅
皇紀2745年4月24日(第62日目) 国鉄宗谷本線旭川駅。
旭川駅周辺で早めのお昼ご飯を取った。それからATMに行ってお金を下ろしてから旭川駅に戻る。ここから乗る列車は石北本線の列車だ。ホームにあがるとキハ40形1両がエンジンを振るわせていた。
旭川→宗谷本線・石北本線→北日ノ出
枕崎→広尾間の最長往復切符北日ノ出駅で途中下車
キハ40形がホームから去ると辺りは静寂に包まれた。
「こんな所から旭山動物園に行こうと考える人はいないだろうなぁ・・・。」
僕はキハ40形を見送りながらそう言った。
「ここから徒歩25分くらい何でしょ。歩けないことはないけど、遠いよねぇ・・・。」
「そうだね・・・。」
北日ノ出駅はホームと小屋みたいな駅舎があるだけの駅だ。列車本数も多くは無く、普通列車まで通過する始末だ。旭山動物園まではこの駅が最も近いのだが、ここからの公共交通機関は整備さえされておらず、徒歩での到達以外考えられない。
「ああ、列車の中でトイレ行っとくんだったなぁ・・・。」
「・・・ヤバいの。」
「いや、それほどでもないけど・・・。ナガシィの前でなんて失態はしないからね。梓じゃないし。」
その失態はしてくれるとこっちも困る・・・。
「まぁ、ヤバくないでも早く行った方がいいだろ。」
駅舎を通り抜け、僕達は徒歩で旭山動物園に向かうことに決めた。ゆっくり歩いて向かったので片道40分ぐらいかかって旭山動物園に着いた。
旭山動物園は日本最北端にある動物園である。動物園としては日本で3番目の来場者数を誇る。動物の行動に主眼を置いた展示をされているらしい。
「こんな寒いところにキリンがいるなんてね・・・。」
僕達の見る先にはキリンが歩き回っている。下にある水たまりは所々凍っており、キリンが歩く度に氷が踊る。
「キリンってアフリカとか暑いところに住んでるけど、寒くないのかな。」
「寒いと思うよ。コート羽織りたいんじゃないかな。」
「キリンがコートねぇ・・・。」
「なぁに、今鼻で笑った。」
「だって・・・。キリンがコート・・・。人のじゃ小さすぎるって。」
「キリンさん用に拵えてあげればいいじゃない。私作っちゃうよ。」
「・・・。」
「あっ、作って欲しい。毛糸のセーターとか。」
「別に・・・。」
ホッキョクグマ、アザラシ。北の生き物たちの展示を見たり、色々回っていると相当時間が潰れた。閉園時間ぎりぎりまで粘り、17時40分くらいの旭川行きのバスに乗る。これに乗ると大体18時30分ぐらいに旭川の駅前に戻ってくる。
駅に戻ったらまずは旭川→北日ノ出間の乗車券を買い、旭川ラーメンをすすり、野外彫刻を見て回る。まぁ、これは昼間に見ておくべきだったかなぁとどこかで思いつつ、夜遅くなったときに再び旭川駅に戻る。
旭川駅の電光掲示板には網走行きの特急「オホーツク」の表示がしてある。夜を越えていく、夜行「オホーツク」だ。
萌はどっか怯えているようで、「あすこ夜の内に通ちゃうの。」と聞いてきた。僕が「眠り薬でも飲んどいたら。」、「じゃあ買いに行こう」というので近くのドラッグストアに買いに行く。これで少しは萌の気が紛れるといい。
旭川→宗谷本線・石北本線特急「オホーツク」→北見
旭川→北日ノ出間の乗車券使用開始および使用終了
枕崎→広尾間の最長往復切符復路北日ノ出駅通過に伴い使用再開