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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(復路) 北海道
126/270

7905T列車 幸福

皇紀2745年4月22日(第60日目) 国鉄(こくてつ)広尾線(ひろおせん)幸福(こうふく)駅。

愛国(あいこく)広尾線(ひろおせん)幸福(こうふく)

「まもなく幸福(こうふく)幸福(こうふく)です。運賃、切符は前の運賃箱にお入れください。」

とアナウンスがあった。線路の脇にあるホームがゆっくりと近づいてくる。キハ22形はゆっくりとそのホームに止まった。愛国(あいこく)駅で買った切符を運賃箱にいれ、ホームに降り立った。このホームもドアの高さと合っていない。降りるときはちょっと段差を飛び越える感覚だ。

愛国(あいこく)幸福(こうふく)行きの乗車券幸福(こうふく)駅到着に伴い使用終了

 列車が発車すると辺りは静かになった。幸福(こうふく)駅の周辺には人家があるが、それ以外は全て畑だ。

「こんな所に幸福(こうふく)に成れる駅があるってねぇ。」

「来ても幸福(こうふく)にはならないけどなぁ・・・。」

「それ言ったら終わりでしょうが。」

「ハハハ。」

「ナガシィ。」

「何。」

「私達はこれからも幸福(こうふく)でしょ。」

「・・・ああ、そうだな。」

ホームから降りて、駅舎に行ってみる。小さい木造の駅舎がある。その中に入ると天井にまでびっしりと張り付けられた「愛国(あいこく)幸福(こうふく)」行きの乗車券が出迎えてくれる。愛国(あいこく)駅で貰ったのは硬券だったけど、ここに貼り付けられているものは全て軟券。ピンク色の紙の切符だ。

「こんなにいっぱい切符貼り付けてあるって。ここに来た人多いんだねぇ。」

「全部レプリカらしいよ。」

「さすがに本物貼り付けてたら、盗んでく人いそうだもんねぇ・・・。」

「・・・。」

やる人がいるって言うのが残念なんだけどな。

 木造の駅舎を出て、その前にある売店で幸福(こうふく)愛国(あいこく)行きの乗車券を買っておく。そうしたら再び幸福(こうふく)駅に戻る。駅舎からホームまでの間に幸福(こうふく)の鐘というものが置かれている。

「ナガシィ。これ突いてこうよ。」

「別にいいだろ。これからも幸福(こうふく)なんだろ。幸福(こうふく)なんだから突く必要ないじゃないか。」

「私はナガシィと一緒に突きたいなぁ・・・。」

「・・・どうしても。」

「うん。」

その笑顔は反則だろ・・・。まぁ、いっか。

「今回だけだからな。」

「フフ。ありがとう。」

幸福(こうふく)広尾線(ひろおせん)帯広(おびひろ)

幸福(こうふく)愛国(あいこく)行きの乗車券使用開始ないし使用終了

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路愛国(あいこく)駅出発に伴い使用再開

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路帯広(おびひろ)駅で途中下車

 僕達は帯広(おびひろ)で一旦降りた。今日は最長往復切符を使ってこの先に行くつもりはない。帯広(おびひろ)で豚丼でも食べて、士幌線(しほろせん)の列車に乗っていこうか。そんなことを萌と話した。僕達が帯広(おびひろ)駅に戻ってくると、早速士幌線(しほろせん)の切符を買い帯広(おびひろ)から北にある糠平(ぬかびら)へと向かった。そこで一泊するのだ。

帯広(おびひろ)士幌線(しほろせん)糠平(ぬかびら)

帯広(おびひろ)糠平(ぬかびら)間の乗車券使用開始ないし使用終了


一口メモ

国鉄(こくてつ)広尾線(ひろおせん)幸福(こうふく)

広尾線(ひろおせん)にある愛国(あいこく)駅と双璧をなす駅。この地域は元々「幸震(さつない)」と呼ばれていた地域だったが、福井からの入植者が多かったこともあり「幸福(こうふく)」へと改められた。周囲には数軒の人家を数えるのみで列車での到達は時間などで大きく左右される。


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