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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(復路) 北海道
125/270

7904T列車 愛の国

皇紀2745年4月22日(第60日目) 国鉄(こくてつ)広尾線(ひろおせん)広尾(ひろお)駅。

 今日から復路の旅をスタートする。広尾(ひろお)駅の駅舎ではディーゼルカーが止まっている。特急型気動車キハ261系だ。これは昨日見た帯広(おびひろ)から特急に変化する列車。広尾線(ひろおせん)内は普通列車のため自由席に乗る分には特急料金がかからない。この列車の出発時間が近づいてくるとどこからともなく人が乗り込んでくる。

広尾(ひろお)広尾線(ひろおせん)快速(帯広(おびひろ)から特急)「スーパーとかち」→愛国(あいこく)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路広尾(ひろお)駅から使用開始

「フィッフュー。」

エンジンを振るわせ、広尾(ひろお)駅を出発する。

 十勝平野の真ん中を「ガタン、ゴトン」と軽快な音を立てて走る。エンジンも快調に回っているようでとても調子がいい。そして、駅に停まる度に学生が乗り込んでくる。車内はあっという間に身動きが取れないほど学生で埋まった。通学のために特急車両に乗れるって言うのはどこか羨ましく思うが、彼らにとっては普通の日常に過ぎない。うらやましがるほど彼らはなんとも思っていないだろう・・・。

 更別、中札内と止まると学生の入れ替わりが発生する。しかし、通路から学生がいなくなることはない。

「ちょっとデッキいっとこうか。」

萌を誘い、デッキに行った。デッキも学生があふれている。扉の脇に座り込んで教科書を読んでいる子もいれば、スマホをいじっている子もいる。指定席車に行けば、やはり空いている。

「指定料金払っちゃう。」

萌の言葉に僕は頷いた。

 車掌に指定料金を払った座席に腰掛け、そして愛国(あいこく)駅で降りた。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符復路愛国(あいこく)駅で途中下車

 復路最初の途中下車はやはりここだろう。帯広(おびひろ)方面に向かう学生を満載して発車する「スーパーとかち」を見送る。駅員に最長往復切符を見せるとちょっとぎょっとされた。こんな切符でここに来る人間いないのだろう。

「何処にでもある北海道の駅って感じね。」

最初の感想を萌が代弁した。確かに、見た目は何処にでもある北海道の駅だ。この「愛国(あいこく)」駅の由来はこの地域を開拓した「愛国(あいこく)青年団」になる。北海道らしい地名の方だと思う。

 駅舎の隣には幸福(こうふく)行きの硬券がモニュメントとして飾ってあった。

「これからここ行くんでしょ。」

萌が「幸福(こうふく)」を指さした。

「私達は別に行く必要ないんじゃない。」

と言う。

「いいだろ。これからも幸福(こうふく)にって事で。」

そう言うと萌は少し嬉しそうな顔をした。

「早いところ幸福(こうふく)行きの切符かっとこうか。次の列車まで時間あるようでないし。」

駅舎の中に入って窓口に行く。直接愛国(あいこく)幸福(こうふく)行きの切符を注文するとさっきのモニュメントと同じ硬券が出てきた。結構買う人がいるのかな。

 帯広(おびひろ)から来る普通列車を愛国(あいこく)駅で待ち、それで幸福(こうふく)駅に向かうことにした。

愛国(あいこく)広尾線(ひろおせん)幸福(こうふく)

愛国(あいこく)幸福(こうふく)行きの乗車券愛国(あいこく)駅から使用開始


一口メモ

国鉄(こくてつ)広尾線(ひろおせん)愛国(あいこく)

広尾線(ひろおせん)起爆剤の一つ。愛国(あいこく)幸福(こうふく)行きの乗車券は一大ブームを起こした。


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