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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 北海道
124/270

7903T列車 地球は丸い

皇紀2745年4月21日(第59日目) 国鉄(こくてつ)広尾線(ひろおせん)広尾(ひろお)駅。

 広尾(ひろお)駅から少し離れた。ここから先はレンタカーである場所を目指すことにする。

「ナガシィ運転する。」

と萌が聞いたので、僕は

「ヤダ。」

と即答した。車を運転する気は起きない。正直、やりたくないことだからな。やらざるを得ないならやるけど・・・。

 駅前からすぐにナウマン国道に出て、南下を始める。襟裳岬はここからナビの上では1時間40分かかると出ている。そんな遠いところにこれからいくのか・・・。

「ちょっとセコマでお昼ご飯買ってから行こうよ。」

「はいはい。」

 広尾(ひろお)の街を出ると右に山、左に海の光景が続くようになる。時たま、右の山の中に工事している箇所が見える。横断幕を見てみると「広尾線(ひろおせん)広尾(ひろお)工区」と書かれているものが見えた。

(こんな所に鉄道っているか・・・。)

残念ながらそう思ってしまう。

 萌の運転する車は時速70キロで巡航する。トンネルを何本か抜け、街を抜ける。道路でも展開される光景は楽しいものだ。音調津を越えると辺りから人家はなくなった。この辺りは山が海岸線付近まで迫っており、人が住めるような平地は多くなさそうだ。この辺りの広尾線(ひろおせん)もトンネルで山中を一気に通り抜けるルートを取らざるを得ない。建設に時間がかかるのも裏付ける・・・。

 庶野を過ぎて、襟裳国道から分かれ、襟裳岬の方角へと舵を切る。しばらく進んでいると突端に近づいてきたという風景になっていく。

 襟裳岬に最も近い街を通り抜け、ついに襟裳岬へと到達する。駐車場に車を止め、歩いて岬まで行ってみる。

「おお。」

眼前には雄大な太平洋が広がっていた。水平線が弧を描いていることが分かる。「本当に地球って丸いんだな。」と言うことを実感する。

「あっ、あんな所に船が見えるよ。」

ずっと沖合を指さす。その指の先に船の影が見える。結構まとまって何隻かいるみたいに見えるが・・・。

「何処に行くんだろうねぇ。」

「何処行くんだろうなぁ・・・。太平洋の向こうにはシャングリラがあるんだったよなぁ・・・。」

「じゃあ、シャングリラまで行っちゃうかな。」

「行くんじゃない。」

「手伸ばして届いたら乗せてくれるかな。」

「どっかの海賊王じゃあるまいし。それに届いたら気持ち悪がられるんじゃない。」

「ああ。それは言える・・・。じゃあ、辞めとこうかな。」

「・・・。」

「襟裳岬って初めて来たよなぁ。」

「そうねぇ・・・。車でないと来れないからねぇ。どっかの誰かさんは車運転したがらないし。」

「車の運転は嫌い。いつも言ってるだろ。」

「はいはい。耳にタコができるくらい聞いてます。・・・日高本線(ひだかほんせん)か、広尾線(ひろおせん)がつながったらここまでまた鉄道で来る。」

「その頃には東北新幹線が何処まで延びてるかな・・・。」

「・・・ついでに北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)もね。出来たら来やすくなるわよ。」

「そうだな・・・。」

「帰りは車運転する。」

「パス。」


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