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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 北海道
122/270

7901T列車 夢壊す

皇紀2745年4月20日(第58日目) 国鉄(こくてつ)富良野線(ふらのせん)旭川(あさひかわ)駅。

 旭川(あさひかわ)でちょっと遅いお昼ご飯を食べて、旭川(あさひかわ)駅に戻る。旭川(あさひかわ)駅は道央・道北・道東を繋ぐ基幹となる場所である。各方面に向かって特急・急行列車が行き来する。ちょうど天北線(てんぽくせん)経由稚内(わっかない)行きの急行「天北(てんぽく)」が青い客車を従えてやってきた。

 しかし、僕達が乗る列車はそれとは縁がなさそうだ。ホームの一角に1両ディーゼルカーが止まっている。

「あっちと比べると可愛いよね。」

「ああ。そうか。」

もう何も感じなくなった。

旭川(あさひかわ)富良野線(ふらのせん)美瑛(びえい)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路美瑛(びえい)駅で途中下車

 美瑛(びえい)に着いたら、僕達はレンタサイクルを駆った。線路を渡り、まっすぐ延びる道を快調に飛ばす。豊富(とよとみ)でも北海道の風を切ったが、ここの空気は本州とは大違いだ。どこか住んでいる。それは感覚的なもので言葉にすることは出来ない。

「走ってるだけでも良い景色が見れるっていいよねぇ。」

「ああ・・・。これが美瑛(びえい)のウィンドウズかぁ・・・。」

「ウィンドウズ、ハハハ。いつのパソコンよ。こっちでもウィンドウズないわよ。」

「でも、パソコンといったらウィンドウズだろ。」

「まぁ、そうだけど・・・。」

どこまでも続く丘。これが緑になればウィンドウズの初期壁紙と同じに見えると表現した人がいるからだが・・・。こうやって本物を見ると本当にそう見える。人って言うのは不思議だ。一度先入観を与えられるとその通りにしか見えなくなる。

「萌。ちょっとウィンドウズ写真に撮ってこうよ。」

「ナガシィだけでどうぞ。」

「ええ・・・。」

「フフフ。撮るんだったら早く撮ってね。」

「はい、はい。」

 一旦自転車を止めて、丘をバックに写真を撮った。しばらく美瑛(びえい)の丘を眺めてから僕達は美瑛(びえい)駅に戻る。美瑛(びえい)駅から富良野線(ふらのせん)の列車に乗り、富良野(ふらの)駅へ向かう。富良野(ふらの)はラベンダーで有名な場所であるが、今はシーズンでは無い。また、シーズンの時に富良野(ふらの)は訪れてみようと思う。

美瑛(びえい)富良野線(ふらのせん)富良野(ふらの)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路美瑛(びえい)駅から使用再開

 富良野(ふらの)駅からは根室本線(ねむろほんせん)の特急「おおぞら」に乗り換え。車内販売でお弁当を頼み、それをかきこんだ。

富良野(ふらの)根室本線(ねむろほんせん)特急「おおぞら」→帯広(おびひろ)

 列車は落合(おちあい)から狩勝峠越えにかかった。辺りは完全に暗くなり、どうなっているのか伺うことは出来ない。車窓には何一つも明かりが無いのだ。

「この辺り晴れれば日本三大車窓も見えたのにねぇ。」

と萌が言うと、

「晴れてても見えないよ。根室本線(ねむろほんせん)はトンネル入っちゃうから。」

「えっ、そうなの。」

「そうだよ・・・。」

「何だ。残念。もうナガシィったら。夢壊さないでよ。」

「・・・事実いっただけだろ・・・。」

「夢壊したんだから、明日のお昼ご飯とかは全部ナガシィに持って貰おうかな。」

「色々と図々しいなぁ・・・。今日はどうしたんだよ。」

「フフーン。何ででしょう。」

「・・・まぁ、何でもいいけど。今回だけだからな。」

「はーい。」

「おおぞら」はトンネルに突入する。峠をトンネルで一直線にぶち抜き、次に街明かりが見えてくる頃には新得(しんとく)を通過する。街明かりをかすめ、列車はモーターを回す。その音が緩んだとき、列車は帯広(おびひろ)へと入った。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路帯広(おびひろ)駅で途中下車


一口メモ

根室本線(ねむろほんせん)落合(おちあい)新得(しんとく)

日本三大車窓の一つがあった箇所。現在は旧線となり列車が通らなくなったため、列車からそれを見ることは出来なくなった。


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