7897T列車 イの字の標津線
皇紀2745年4月19日(第57日目) 国鉄標津線別海支線中標津駅。
標津線は中標津から3方向へ向かっている。一つは昨日僕達が乗ってきた標茶方面。2つめは根室標津方面。こちらは港から国後島、択捉島方面へも移動できる。もう一つは別海・厚床方面へ向かう路線だ。これに従って標津線をなぞると「イ」の字状に見える。これほど面白い形をした鉄道線は日本にはこれしか無いと思った。
僕たちは厚床方面に向かわなければならないため、中標津から厚床経由の釧路行きに乗らなければならない。
1番線のホームには根室標津からやってくる急行「くなしり」が入線する。キハ56形4両を連ねた編成の一番後ろにはオレンジ一色のキハ40形と白ベースに萌黄色のラインが入ったキハ22形が連結されている。これのうちキハ40形が厚床方面に行く列車で、キハ56形急行「くなしり」と最後尾に連結されたキハ22形は標茶経由で釧路を目指す。
大きい荷物を抱えている人は急行「くなしり」に吸い込まれていく。僕たちはそれを横目にほとんど客が入らないキハ40形に乗り込む。
「急行「くなしり」釧路行き。発車します。」
ホームにアナウンスが流れ、キハ40形から「くなしり」が切り離された。それから15分くらいホームに止まったままだ。その間にちらほら地元の人が乗る。
中標津→標津線別海支線→厚床
枕崎→広尾間の最長往復切符往路中標津駅から使用再開
列車は中標津駅を出ると原野へと躍り出る。見渡す限り木々しか目に入らない。こんな自然のど真ん中をゆっくりと走る。
「ずっと直線だね。」
先頭の窓からのぞく線路はまっすぐ伸びる。
「こんなふうに線路が敷けるのは北海道だけだな。」
「中央線は。」
「ノーコメント・・・。」
列車は減速し、原野の真ん中で止まる。ふと顔を上げると前側のドアから乗客が一人乗ってくる。周りは原野みたいだが、どうやらここは駅らしい。
春別、別海と駅に止まり、右側から電化された鉄道線が合流すると厚床駅に停車。ここからこの列車は釧路へ向かうが、ここで特急に乗り換えたほうがそちらには早く着く。列車はここでのんびり27分停車する。
厚床→根室本線特急「スーパーおおぞら」→池田
先頭にキハ261系、後方に電車789系を従え、厚床駅に根室からの特急「スーパーおおぞら」が入線する。今日は電車の方に乗ってみるか。そう思ったが自由席は結構埋まっていた。これはいかんと車掌に指定席への変更を申し出ると前に連結されたキハ261系の指定席に落ち着いた。なかなかうまくいかないものである。
釧路駅に到着すると乗客はさらに増えた。この先、お弁当の確保が難しくなるため、5分の停車時間を利用して駅弁を手に入れる。
釧路駅を出発し、列車は太平洋を時折見ながら、池田を目指した。
一口メモ
国鉄標津線
標茶~根室標津間を結ぶ本線と中標津~厚床間の視線からなる「イ」の字型の鉄道線。