表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 北海道
118/270

7897T列車 イの字の標津線

皇紀2745年4月19日(第57日目) 国鉄(こくてつ)標津線(しべつせん)別海支線(べっかいしせん)中標津(なかしべつ)駅。

 標津線(しべつせん)中標津(なかしべつ)から3方向へ向かっている。一つは昨日僕達が乗ってきた標茶(しべちゃ)方面。2つめは根室標津(ねむろしべつ)方面。こちらは港から国後島、択捉島方面へも移動できる。もう一つは別海(べっかい)厚床(あっとこ)方面へ向かう路線だ。これに従って標津線(しべつせん)をなぞると「イ」の字状に見える。これほど面白い形をした鉄道線は日本にはこれしか無いと思った。

 僕たちは厚床(あっとこ)方面に向かわなければならないため、中標津(なかしべつ)から厚床(あっとこ)経由の釧路(くしろ)行きに乗らなければならない。

 1番線のホームには根室標津(ねむろしべつ)からやってくる急行「くなしり」が入線する。キハ56形4両を連ねた編成の一番後ろにはオレンジ一色のキハ40形と白ベースに萌黄色のラインが入ったキハ22形が連結されている。これのうちキハ40形が厚床(あっとこ)方面に行く列車で、キハ56形急行「くなしり」と最後尾に連結されたキハ22形は標茶(しべちゃ)経由で釧路(くしろ)を目指す。

 大きい荷物を抱えている人は急行「くなしり」に吸い込まれていく。僕たちはそれを横目にほとんど客が入らないキハ40形に乗り込む。

「急行「くなしり」釧路(くしろ)行き。発車します。」

ホームにアナウンスが流れ、キハ40形から「くなしり」が切り離された。それから15分くらいホームに止まったままだ。その間にちらほら地元の人が乗る。

中標津(なかしべつ)標津線(しべつせん)別海支線(べっかいしせん)厚床(あっとこ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路中標津(なかしべつ)駅から使用再開

 列車は中標津(なかしべつ)駅を出ると原野へと躍り出る。見渡す限り木々しか目に入らない。こんな自然のど真ん中をゆっくりと走る。

「ずっと直線だね。」

先頭の窓からのぞく線路はまっすぐ伸びる。

「こんなふうに線路が敷けるのは北海道だけだな。」

中央線(ちゅうおうせん)は。」

「ノーコメント・・・。」

 列車は減速し、原野の真ん中で止まる。ふと顔を上げると前側のドアから乗客が一人乗ってくる。周りは原野みたいだが、どうやらここは駅らしい。

 春別(しゅんべつ)別海(べっかい)と駅に止まり、右側から電化された鉄道線が合流すると厚床(あっとこ)駅に停車。ここからこの列車は釧路(くしろ)へ向かうが、ここで特急に乗り換えたほうがそちらには早く着く。列車はここでのんびり27分停車する。

厚床(あっとこ)根室本線(ねむろほんせん)特急「スーパーおおぞら」→池田(いけだ)

 先頭にキハ261系、後方に電車789系を従え、厚床(あっとこ)駅に根室からの特急「スーパーおおぞら」が入線する。今日は電車の方に乗ってみるか。そう思ったが自由席は結構埋まっていた。これはいかんと車掌に指定席への変更を申し出ると前に連結されたキハ261系の指定席に落ち着いた。なかなかうまくいかないものである。

 釧路(くしろ)駅に到着すると乗客はさらに増えた。この先、お弁当の確保が難しくなるため、5分の停車時間を利用して駅弁を手に入れる。

 釧路(くしろ)駅を出発し、列車は太平洋を時折見ながら、池田(いけだ)を目指した。


一口メモ

国鉄(こくてつ)標津線(しべつせん)

標茶(しべちゃ)根室標津(ねむろしべつ)間を結ぶ本線と中標津(なかしべつ)厚床(あっとこ)間の視線からなる「イ」の字型の鉄道線。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ