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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 北海道
114/270

7893T列車 普通は各駅には停まらない

皇紀2745年4月17日(第55日目) 国鉄(こくてつ)名寄本線(なよろほんせん)興部(おこっぺ)駅。

 興部(おこっぺ)駅はこの地方で最も大きな駅である。鉄道線は名寄本線(なよろほんせん)稚内(わっかない)方面へ向かって延びようとしている興浜南線が延びている。3つあるホームには全てに列車が止まっており、エンジンをブルブル震わせていた。一番駅舎に近いホームには特急「スーパー紋別」札幌(さっぽろ)行きが止まっている。僕達は跨線橋を渡って、2番線に止まっている普通遠軽(えんがる)行きに乗り込んだ。

興部(おこっぺ)名寄本線(なよろほんせん)中湧別(なかゆうべつ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路興部(おこっぺ)駅より使用再開

「アレッ。ナガシィ。」

萌が何かに気付いて僕を呼んだ。僕が萌の方を見ると萌はしきりに外を指さした。そちらを見ると緑色のディーゼルカーが止まっている。見た目からしてキハ22形のようだが・・・。

「何だろう。あれ。」

「さぁ。僕にも分かんない。」

ちょっとスマホをだして調べてみると「興部(おこっぺ)ライダーハウス」というのが出てきた。名寄本線(なよろほんせん)のこの辺りには貨物は走っていない。使わない貨物ホームを小規模改造して、使わなくなったキハ22形を置いているのだそうだ。中はカーペッド敷きになっていて、自由に使えるらしい。

「あれ泊まってみるのもいいかもなぁ・・・。」

「ええ。私はヤダ。泊まるならナガシィだけにして。」

「・・・言うと思った。」

 列車は興部(おこっぺ)の街を通り過ぎ原野へと足を踏み入れた。僕は前に行って列車の行く手を見ていた。すると集落が現れ、まもなく木の板が線路の脇を通り過ぎる。見るからにあれは駅だった。

(普通列車じゃ無かったっけ。)

と思ったが、北海道の普通列車はこれが普通だ。

 二駅通過して列車は沙留に停車。この駅からは学生が乗り込んできた。空いていたボックス席はほぼ全て埋まった。萌は周りを見て僕の隣にやってきたが、僕達が座っている前のシートに腰掛ける学生はいなかった。渚滑(しょこつ)潮見町(しおみちょう)に止まってもそれは同じで、紋別で大半の学生が降りていった。

「また空いたね。」

そう言って、萌は僕の前の席に腰掛け直した。

 名寄本線(なよろほんせん)は海岸に沿って走る。オホーツク海には白波が立つ。しばらく走ると名寄本線(なよろほんせん)は海岸線を離れた。左側に家屋が多くなり右側から線路が2本合流すると中湧別(なかゆうべつ)に到着する。

 ここからは湧網線(ゆうもうせん)の列車に乗り換え、網走(あばしり)を目指す。

網走(あばしり)行くだけなら、これに遠軽(えんがる)まで乗って、遠軽(えんがる)から特急「オホーツク」に乗り換えたほうが速いんだけどねぇ。」

「そう言うきっぷじゃ無いから仕方ないねぇ・・・。」

「この間どうする。」

「駅前で何かあるんじゃ無いかな。」

中湧別(なかゆうべつ)だぞ・・・。」

「何も無い言ってたら、何も無いって。」

「・・・。」

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路中湧別(なかゆうべつ)駅で途中下車

 結局、駅のすぐ近くにある温泉に入ることに落ち着いた。


一口メモ

国鉄(こくてつ)名寄本線(なよろほんせん)

宗谷本線(そうやほんせん)名寄(なよろ)駅~石北本線(せきほくほんせん)遠軽(えんがる)駅間を興部(おこっぺ)・紋別・中湧別(なかゆうべつ)経由で結ぶ鉄道線。石北本線(せきほくほんせん)開業前は旭川(あさひかわ)北見(きたみ)網走(あばしり)間を結ぶ最重要路線として機能していた歴史を持つ。


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