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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 北海道
113/270

7892T列車 買い物

皇紀2745年4月16日(第54日目) 国鉄(こくてつ)宗谷本線(そうやほんせん)音威子府(おといねっぷ)駅。

南稚内(みなみわっかない)天北線(てんぽくせん)宗谷本線(そうやほんせん)名寄(なよろ)

「まもなく、音威子府(おといねっぷ)です。運賃・切符は駅係員までお渡しください。」

とのアナウンスが車内に流れる。そろそろお腹も減ってくる。そんなときに音威子府(おといねっぷ)に到着するのだ。こういう機会は生かしたい。

「お蕎麦食べる。」

「当然。」

 音威子府(おといねっぷ)駅に到着するとぼく達はいったん普通列車から降りた。乗っている普通列車はここで稚内(わっかない)行きの急行列車を待ち合わせてから出発する。それまでの時間は20分。蕎麦を食べて戻ってくるだけの時間は十分ある。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路音威子府(おといねっぷ)駅で途中下車

 改札口をでてすぐの所にお蕎麦屋さんがある。そこでお蕎麦を頼んでみる。出てきた蕎麦の麺はかなり黒い。他の所と違って蕎麦の種か何かが入っているかららしい。

「あっ、美味しい。」

「うん。これは進む。」

「どうする。これ、もういっぱい買ってく。」

「いいねぇ。そうしよう。」

ささっと蕎麦を口の中にかきこみ、もういっぱいお蕎麦を買って列車の中に持ち込む。

 音威子府(おといねっぷ)には天北線(てんぽくせん)に直通する急行「天北(てんぽく)」が来ていた。青い客車を連ねているのはさながらブルートレインのようだ。

南稚内(みなみわっかない)天北線(てんぽくせん)宗谷本線(そうやほんせん)名寄(なよろ)

 キハ54形がエンジンを吹かし、音威子府(おといねっぷ)駅を出発する。車窓を見ながら、食べる蕎麦はまた格別だ。こういう風景があちらでは失われてしまっているのは悔やまれる。

 音威子府(おといねっぷ)から、さらに1時間キハ54形にゆられ、名寄(なよろ)駅に到着。ここまで天北線(てんぽくせん)の普通列車を乗り通したものは僕達以外いなかった。

 ここからは名寄本線(なよろほんせん)の列車に乗り換え。しかし、名寄本線(なよろほんせん)の列車はしばらく無いため名寄(なよろ)で途中下車することにした。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路名寄(なよろ)駅で途中下車

「ナガシィ。ちょっと買い出ししていきたいから。」

「買い出し。ここで何買うの。」

「・・・これからの旅で必要なもの。何かあるでしょ。」

「・・・別に・・・。」

「「別に」って言って後であれ買っとけば良かったとか言うんでしょ。分かってるんだから。」

あっ、はい・・・。

 と言うわけで名寄(なよろ)駅前から近くのイオンまで行くシャトルバスに乗って、萌の言う買い出しをする。それをすると上手いこと時間が潰れ、駅に戻ってくるなり名寄本線(なよろほんせん)の列車に乗り込んだ。

 乗った特急「スーパー紋別」はエンジンを吹かし、名寄(なよろ)を出発。宗谷本線(そうやほんせん)と別れ、市街を通り抜ける。すると辺りは原野となった。北海道って言うのはこういう自然を切り開いたと言うことを嫌でも思い知らされる。

 下川を出ると峠越えに入り、車窓はにわかに雪が深くなった。この辺りにはまだ春さえ訪れていないらしい。

「ここはまだこんなに雪が・・・。」

「大変だよなぁ・・・。この辺りに住んでいる人って。」

「住んでるのかな、人。」

「一応ね・・・。」

「一応ねぇ・・・。」

「そう、一応。」

 やがて、雪ともお別れし興部(おこっぺ)に入った。この列車で紋別まで行ってもよかったが、今日は興部(おこっぺ)で終えることにした。さすがに列車に長く乗ったことが堪えたらしい。

名寄(なよろ)名寄本線(なよろほんせん)特急「スーパー紋別」→興部(おこっぺ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路興部(おこっぺ)駅で途中下車


一口メモ

特急「スーパー紋別」

札幌(さっぽろ)~紋別間を運行する特急列車。興部(おこっぺ)などへの最速達便として機能している。


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