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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 北海道
112/270

7891T列車 エセ飛行場前?

皇紀2745年4月16日(第54日目) 国鉄(こくてつ)天北線(てんぽくせん)南稚内(みなみわっかない)駅。

 南稚内(みなみわっかない)駅から南へは2本の鉄路が延びている。幌延(ほろのべ)周りの宗谷本線(そうやほんせん)浜頓別(はまとんべつ)周りの天北線(てんぽくせん)だ。昨日僕たちは幌延(ほろのべ)を回って上ってきた。最長往復切符はここから浜頓別(はまとんべつ)を回って、名寄(なよろ)方面へと抜けていく。

 南稚内(みなみわっかない)のホームでは特急「スーパー宗谷」札幌(さっぽろ)行きが出て行ったすぐ後に僕達が乗る天北線(てんぽくせん)経由のディーゼルカーが入線する。キハ54形3両が連なっており、先頭から「名寄(なよろ)行き(宗谷本線(そうやほんせん)経由)」、「羽幌(はぼろ)行き(羽幌線(はぼろせん)経由)」、「名寄(なよろ)行き(天北線(てんぽくせん)経由)」となっている。一番後ろの車両に乗らないと僕たちが行きたい方向に列車が行ってくれないのは初見殺しもいいところだ。

南稚内(みなみわっかない)天北線(てんぽくせん)宗谷本線(そうやほんせん)名寄(なよろ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路南稚内(みなみわっかない)から使用再開

 声問(こえとい)を通り過ぎると天北線(てんぽくせん)は山の中へと分け入る。天北線(てんぽくせん)は宗谷岬の方向へ走っていくが、宗谷岬からかなり離れた場所を通って、鬼志別(おにしべつ)へと抜けていく。峠にさしかかるとキハ54はエンジンを唸らせた。スピードはそれほど高くは無く、息を切らしながら上っていると言った方がいい。それが無くなると「やっとだ」とどこからともなく聞こえてきた気分だ。

 鬼志別(おにしべつ)猿払(さるふつ)に停車すると少ない乗客が降り、南稚内(みなみわっかない)から乗っていた人はぼく達だけになった。

 浅茅野(あさじの)を出発すると次の駅は飛行場前(ひこうじょうまえ)となっている。

「次の飛行場前(ひこうじょうまえ)が「飛行場が無いのに、飛行場前(ひこうじょうまえ)ってなってた駅」だよ。」

と教えた。

 しかし、飛行場前(ひこうじょうまえ)に着いてみるとホームの向こう側は中がうかがえないように木で覆われていた。短い木のホームには「飛行場前(ひこうじょうまえ)」と書かれており、ここがそれなのは間違いないのだが・・・。はて、こんな風になっていたっけ。

飛行場前(ひこうじょうまえ)ってこうなってるの。」

萌が僕に聞いてきたが、

「いや、僕の知ってる飛行場前(ひこうじょうまえ)とは違うきが・・・。」

列車はそんな疑問など知ったことかと言わんばかりに飛行場前(ひこうじょうまえ)を発った。

「あの駅って飛行場無いのよね。」

「うん・・・。」

「明らかに何かあると思うんだけど。」

「何かあったねぇ・・・。でも、何があるんだよ。」

「そりゃ、その名の通り飛行場でしょ。それ以外何があるの。」

「あんな何も無いところにか。」

かなり酷いとは思ったが、あの辺りの印象は本当にそんな感じだ。

「空港って結構街から離れてるの多いでしょ。静岡空港だって山の中よ。」

「・・・。」

言われてみれば・・・。

 外を見ていると空を緑色の航空機が飛んでいた。動態に大きな日の丸が着いている。3機大きな飛行機が続いたかと思うと、それに付き従うように小さい飛行機が飛んでいった。窓を開けて後ろの方向を見るとさっきの木で覆われた空間の中へと飛行機は消えていった。

「本当に飛行場あるみたいだな。」

と僕はつぶやいた。出来れば、何もない飛行場前を見てみたかったと思ったのだ・・・。


一口メモ

国鉄(こくてつ)天北線(てんぽくせん)飛行場前(ひこうじょうまえ)

この飛行場前(ひこうじょうまえ)駅は飛行場前(ひこうじょうまえ)に無いことで有名である。しかし、こちらでは帝国陸軍浅茅野第一飛行場があり、北方防空の要となっている。


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