表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 北海道
111/270

7890T列車 リアル森のクマさん

留萌(るもい)羽幌線(はぼろせん)幌延(ほろのべ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路羽幌(はぼろ)駅から使用再開

 近くのセイコーマートでお昼ご飯を買って戻るとちょうどいい時間であった。1両になったディーゼルカーはエンジンを吹かして、羽幌(はぼろ)のホームをゆっくりと離れていった。沖合に浮かぶ2つの島を眺めながら、列車はひたすら北へと進んでいく。しかし、幸もずっと海を眺めているのはなんとも暇である。

 ふとお肉のいいにおいが僕の鼻に届いた。

「あっ、萌。」

「いいじゃない。冷めたら美味しくないし。」

萌だけ先にホットシェフを食べていた。別に咎めるつもりはないのだが、こうも美味しいものを見せつけられると食べずにはいられなくなる。

「僕のもちょうだい。」

「はい、はい。ちょっと待ってて。」

そう言うと萌はビニール袋の中から赤色のケースをだした。テープを取ると5個唐揚げが顔を覗かせる。セイコーマートのホットシェフで売られているこういう食べ物はとても美味しい。北海道では必需品だ。

 それを食べ終わると適度に眠気が襲ってきた。列車の揺れに身を任せて、眠りに就く。次に起きたときには列車は原野の中を快調に飛ばしていた。多少街が見えてくると列車は幌延(ほろのべ)に到着する。

 幌延(ほろのべ)からは宗谷本線(そうやほんせん)に乗り換える。ここまでひたすら普通列車でコトコト移動してきたが、ここから先は樺太方面への一大幹線として機能する路線となる。特急列車も走り、次の接続便はちょうど特急「スーパー宗谷(そうや)稚内(わっかない)行きである。

幌延(ほろのべ)宗谷本線(そうやほんせん)特急「スーパー宗谷(そうや)」→豊富(とよとみ)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路豊富(とよとみ)駅で途中下車

 幌延(ほろのべ)豊富(とよとみ)の間の駅に特急は停車しない。いくら自由席に乗ったとは言え、次の駅で特急列車から下車するというのはなんとも馬鹿げた、そして贅沢な使い方だと思う。

 豊富(とよとみ)で下車したのはサロベツ原野に行くためだった。僕たちは駅前でレンタサイクルを借りて、7キロの道のりを行こうと思った。

「うー・・・。さすがに自転車で行くのは寒いねぇ・・・。」

「そうだなぁ・・・。これは失敗したかも・・・。」

豊富(とよとみ)の街を過ぎれば、後は見渡す限り自然が広がっている。ただまっすぐ道が延びているだけだ。

「こういう時、クマさん出てきたらどうしよう。」

「・・・怖いこと言うなぁ・・・。」

「ナガシィ食べられたら、私は大丈夫かな。」

「それで平静でいられる萌の神経を疑いたいよ。」

「嘘、嘘。さすがにそんなことされたら私も精神どうにかなりそうだから。」

「それにしても、7キロ自転車で移動するってちょっと無謀だったんじゃない。」

「ちょっとで済めばいいけどねぇ・・・。」

今思ってみれば、もうちょっと時期をずらして訪れるべきだった。僕たちはただ、自然のど真ん中をサイクリングしただけに近かった。ただ、この先に広がっている広大な湿原に思いをはせている。その時間はとても楽しかったものだ。

豊富(とよとみ)宗谷本線(そうやほんせん)南稚内(みなみわっかない)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路南稚内(みなみわっかない)駅で途中下車


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ