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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 北海道
109/270

7888T列車 栄える北海道貨物

皇紀2745年4月14日(第52日目) 国鉄(こくてつ)室蘭本線(むろらんほんせん)沼ノ端(ぬまのはた)駅。

 ED75形2両連なりが大量のコンテナ貨車を引いて走って行く。向こうでは北海道にED75形はいなかったが、こちらでは電気機関車がいる。それだけ函館本線(はこだてほんせん)室蘭本線(むろらんほんせん)の重要度が高いことを示している。

「こういう光景を見ると面白いよねぇ。」

「私にはよく分かんない。」

「あっ、そう・・・。」

「フフフ。」

今度は光速で789系とキハ261系が駆け抜けていった。「北斗(ほくと)」と掲げているため、あのまま函館(はこだて)まで走って行くのだろう。

「あれだけ重要度が高いのに、北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)がいらないって言う人の気が知れないわね。」

「ハハハ・・・。東海道新幹線の成功認めたくないのかな・・・。」

沼ノ端(ぬまのはた)室蘭本線(むろらんほんせん)岩見沢(いわみざわ)

 沼ノ端(ぬまのはた)から乗った列車はディーゼルカーだった。上が電化されているにもかかわらずディーゼルカーが通るというのはコスト削減の面からよくある事例でもある。少々不思議な気もする。

 千歳線(ちとせせん)の下をくぐって、室蘭本線(むろらんほんせん)は分かれていく。

 ディーゼルカーの座席に腰掛け、外の景色を見ていると時たま貨物列車がその視界を遮ってくる。赤い電気機関車の次に黒い貨車が何両も連なっている。いくつ繋いでいたのかは数えなかったが、かなり多い。

「あれって何かな。」

「さぁ、石炭貨物じゃない。」

僕は適当に答えた。室蘭本線(むろらんほんせん)沼ノ端(ぬまのはた)岩見沢(いわみざわ)間沿線は炭鉱が多い。夕張市を筆頭に万字炭鉱と名だたる炭鉱が広がっている。それら全てが室蘭本線(むろらんほんせん)に集中してくる。追分(おいわけ)栗山(くりやま)岩見沢(いわみざわ)では石炭を満載した貨車を見ることが出来るだろう。

 追分(おいわけ)駅に到着すると僕たちの乗っているディーゼルカーが小さくなった気分になる。大きい構内に大量の貨車が並んでいる。その内半分くらいは空っぽのようだが、もう半分にはあふれんばかりの石炭が載っている。

「こんなに沢山貨車が止まってるなんて。」

「夕張炭鉱栄えてるんだな。」

「・・・夕張ってもう石炭取ってないんじゃ。」

「筑豊炭田の辺りで沢山貨物積んでたし、これくらい普通じゃないか。」

僕はそう返す。ただ、これだけの石炭一体どこで使ってるんだ・・・。いくら軍隊でもこんなに入らないだろうし・・・。それだけは疑問だ。

 追分(おいわけ)を過ぎ、栗山(くりやま)駅で夕張鉄道(ゆうばりてつどう)の線路と合流。さらに北に進んで志文(しぶん)駅で万字線(まんじせん)と合流する。志文(しぶん)駅を出発し、少しは知ると列車は街の外輪をなぞるように走り、左側から函館本線(はこだてほんせん)が合流する。大きい駅が前に見えると岩見沢(いわみざわ)に滑り込んだ。岩見沢(いわみざわ)駅でもED75形が右へ、左へ忙しく動いている。僕たちはそれを横目に函館本線(はこだてほんせん)の特急列車に乗り換えた。萌黄色の789系特急「ライラック」の次位に留萌(るもい)行きのキハ261系特急「スーパーオロロン」が連結される珍妙な列車だった。

岩見沢(いわみざわ)函館本線(はこだてほんせん)留萌本線(るもいほんせん)特急「スーパーオロロン」→留萌(るもい)

 列車は岩見沢(いわみざわ)を出ると時速130キロで爽快に飛ばした。キハ261系はエンジンを吹かし、電車に一生懸命食いついていた。

 深川(ふかがわ)駅に到着するとここまで一緒に走ってきた特急「ライラック」と別れ、「スーパーオロロン」は進行方向を変えて、留萌(るもい)を目指す。

 列車が留萌(るもい)に到着する頃、辺りはだんだんと暗くなり始めていた。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路留萌(るもい)駅で途中下車


一口メモ

室蘭本線(むろらんほんせん)

函館本線(はこだてほんせん)長万部(おしゃまんべ)函館本線(はこだてほんせん)岩見沢(いわみざわ)間を結ぶ幹線。途中東室蘭(ひがしむろらん)室蘭(むろらん)間に支線を持つ。この路線は函館(はこだて)札幌(さっぽろ)間の重要路線として位置づけられる長万部(おしゃまんべ)沼ノ端(ぬまのはた)間と沿線に炭鉱が点在する沼ノ端(ぬまのはた)岩見沢(いわみざわ)間に分かれる。重要度の高い路線であることから交流20kV全線複線電化されている。


特急「ライラック」

札幌(さっぽろ)旭川(あさひかわ)間を結ぶ特急列車。途中駅、または終点の旭川(あさひかわ)までディーゼルカーを従えて走ることがある。


特急「スーパーオロロン」

札幌(さっぽろ)留萌(るもい)羽幌(はぼろ)幌延(ほろのべ)稚内(わっかない)間を留萌本線(るもいほんせん)羽幌線(はぼろせん)経由で運行する特急列車。途中深川(ふかがわ)駅まで特急「ライラック」と併結する。


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